欧州

2024.08.25 10:00

ロシア軍歩兵戦闘車、味方の歩兵戦闘車を待ち伏せ攻撃で撃破 至近距離から猛烈な射撃

今月6日の侵攻開始から20日近く経過するなか、ウクライナ軍の前線部隊はクルスク州の815平方kmほどの地域を支配下に置き、さらに415平方kmほどの支配を争っている。ウクライナ軍のこの方面の前線兵力は少なくとも計8個の機械化旅団と空中強襲旅団から抽出された6個前後の大隊規模の部隊で構成されている。

ウクライナ側は20日までに戦闘車両などの装備を65点失ったことが、オランダのOSINT(オープンソース・インテリジェンス)サイト「オリックス(Oryx)」によって確認されている。ロシア側の装備の損失は40点となっている。

ロシア軍は計25個ほどの連隊や旅団の部隊から成る兵力でウクライナ側の進撃を抑え込もうとしている。だが、兵員の多くはロシアの政権寄りのチェチェン人や、ろくな訓練を受けていない若年の徴集兵が占める。ロシアの従来の方針では、徴集兵は直接の戦闘には従事しないことになっていた。

ロシアは、ウクライナ東部の戦線に投入している自軍で最も優秀な機械化部隊をクルスク戦線に転用するのに消極的だ。そうすれば、東部での現在の攻勢の勢いが削がれかねないからだろう。一方で、より重装備の部隊が何個かクルスク州に到着し始めており、戦場の力学を変えつつある。

フロンテリジェンス・インサイトは「ロシア軍はどうにかウクライナ側の進撃を鈍らせ、予備部隊を投入できたようだ。ウクライナ軍部隊を完全に封じ込めるには至っていないものの、クルスク州でさらに深く、急速に支配地を広げられるのは防いでいる」との評価を示している。

ただし「これは必ずしもウクライナ軍が抑え込まれたとか、これ以上進軍できないというわけではない」と付言し、「ウクライナ軍が(クルスク州方面に)集中させている兵力は、引き続き進撃したり突破を成し遂げたりするのになお十分かもしれない」とも述べている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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