Etsyで「ポルノ」や「ポルノグラフィ」と検索しても何もヒットしないが、俗語やセックストイで検索すると、数多くのアイテムが表示される。同社は、ポルノを「性行為を明示的に描写または表示するもの」と広く定義しており、特にプレイボーイなどのポルノ出版社が制作したコンテンツの販売を禁止している。しかし、「プレイボーイ」で検索すると、「PlayboyMagazineFinds」というハンドルネームの出品者を含む、1000件以上の検索結果が表示された。
Etsy広報担当者のリリー・グラスに、なぜ同社が規約に違反する出品を許しているのか質問したが、回答は得られなかった。彼女は、「7月29日以降、数千ものアカウントを削除しており、自動化された監視と人間によるレビューを組み合わせてポリシーの徹底を図っている」と説明した。
Etsyは、実際にアクションを起こしており、成人向け玩具の老舗業者は、同社からメッセージを受け取った後、販売終了を余儀なくされたという。
「妻と私はEtsyの決定に心を痛めている。我々のような小規模業者にとって大きな打撃だ。Etsy経由の販売は売上の80%を占めていたため、今後も製作を続けることは困難だ」と、この会社のオーナーであるルカは話す。
Etsyは、これまでもポルノに関するポリシーの徹底に苦労してきた。フォーブスの昨年12月の調査で、オリヴィア・マンやジェナ・オルテガを含む55人のセレブのヌードを人工知能(AI)で捏造したディープフェイク画像がEtsyに出品されていることが判明した。手工芸品のマーケットプレイスとして約100億ドル(約1兆4500億円)の時価総額を誇るEtsyは、フォーブスの指摘を受けてこれらの商品を削除した。同社は、多くのディープフェイクヌード画像が出品されている理由については説明を避けた。
現在も、数千ものAIポルノ画像が出品され続けている。Etsy上で「AI girl」と検索すると、同社のアルゴリズムは「AI girl hot」など、より猥褻な検索キーワードを提案する。Etsyは、ポルノに関する問題を認識しており、対応策を公表しているにもかかわらず、いまだにポルノコンテンツが氾濫していることに一部のオブザーバーは困惑している。同社が「ポルノ」や「ポルノグラフィ」という言葉が含まれる出品を制御しているのに、なぜスラングなどを用いて宣伝しているポルノ関連用品の出品を許可しているのかは分からない。ポルノを禁止しているのであれば、「tits(おっぱい)」や「dick(ペニス)」などの言葉を使って宣伝している商品は厳しく規制されるか、ブロックされるべきだ。