予算の問題があるにもかかわらず、NASAはサンプルリターン・ミッションがいずれ実現するという希望を持ち続けている。ミッションの目的は、パーシビアランスが採取した岩石サンプルを地球に持ち帰り、研究室で詳しく調べることだ。
そうしなければ、「火星にはかつて微生物が生息していたか」という火星に関する最大の疑問の一つに結論は出ないかもしれない。「古代生命の痕跡」の探査を含む宇宙生物学は、パーシビアランス・ミッションの主要な目標だ。
研究者たちは、ジェゼロ・クレーターの縁で何かが発見される日を心待ちにしている。古代の地殻から岩石が見つかることを期待しているのだ。パーシビアランス・ミッションに参加し、クレーター・リム・キャンペーンを率いる科学者の一人であるハワイ大学マノア校のエレニ・ラバニスは、「これらの岩石はさまざまなプロセスで形成されており、中にはこれまで間近で調査されたことのない、ハビタブルな(水が存在し生命の生息が可能な)古代の環境があったかもしれないことを示すものもある」と話している。
パーシビアランスが目的地に無事たどり着くためには、人とロボットの知恵を結集させる必要がある。目的地までのルートは危険回避を第一に選ばれた。パーシビアランスはオートナビゲーション・プログラムを使い、移動中の判断の一部を自ら行う。急斜面を登ることになるが、NASAは30度以上の傾斜を避けようとしている。パーシビアランスは道中、一時停止して撮影や科学調査を行う。
クライマックスは、クレーターの縁に到達した瞬間だ。きっと、驚くほど素晴らしい眺めが待ち受けていることだろう。
(forbes.com 原文)