ある男性は、高校を卒業したものの、どういうわけか読み書きを身に着けなかった。清掃作業員の仕事に応募したが、就業に必要な書類を記入することができず、不採用になってしまった。男性はお金に困り、村の広場に屋台を出して、花屋を始めた。
何年も過ぎるうちに、花屋は拡大した。国中の市場に花屋を開き、とても裕福になった。あるとき従業員から、ビジネス成功について本を書いてはどうか、と勧められた。そこで男性は、自分は読み書きを学んでこなかったのだと打ち明けた。するとその従業員は、「では、読み書きができていたら、どうなっていたと思いますか」と尋ねた。男性は「それなら簡単だ。(最初に応募していた)清掃作業員になれていただろうね」と答えた。
この物語の教訓は、創造力は教育に影響されるものではないということだ。挫折と思えることがあったとしても、それによってどのような道へと進んでいくのかは決まっていない。
『ナルニア国物語』の著者として知られるC.S.ルイスは、こう語った。「元に戻って始まりを変えることはできないが、今この時から初めて、エンディングを変えることはできる」
私たちはみな、ハッピーエンドを求めている。人生とは、語るに値するストーリーを創造することだ。優れたストーリーは、自分よりも大きな何かへと誘ってくれる。優れたストーリーテラーの目的は、人々に対して、「どうやって考えるべきか」を説明することではない。「考えるべき問い」を人々に与えることであり、より良い行いをしよう、より良い人間になろうと鼓舞することだ。
そしてそれは、リーダーシップの基本的な役割と言える。
リーダーシップの影響力を高めるために、あなたなら、どんなストーリーを語るだろうか。
(forbes.com 原文)