Gemini体験の感動がiPhoneの「シェアを削りとる」ことができるか?
Pixel 9シリーズのGeminiは「とてもエキサイティング」だと筆者は実感した。これに比べてしまうと、数年前からGoogle Pixelシリーズに搭載されている音声文字起こしにカメラのアシスト機能、撮影後の写真や動画のAI編集などの、ほかのAI機能の進化は大人しく感じられてしまうほどだ。だが、カメラまわりの新機能にはグーグルならではの視点があっておもしろい。日本語未対応の機能になるが、フォトアプリに追加される「編集マジック」の「イマジネーション」は、テキストプロンプトから写真の背景を自由に差し換えたり、被写体を新規に追加して楽しめる機能だ。日本語でも利用可能なカメラのAI機能「いっしょに写る」とかけ合わせて筆者が創作した写真を作例として紹介しよう。
![AIカメラ機能の「いっしょに写る」を使って写真を合成。英語環境限定の「イマジネーション」からプロンプトで生成した背景に差し換えてみた](https://images.forbesjapan.com/media/article/73198/images/editor/12fa387f540206d8400836fe32da861e7ff507b7.jpg?w=1200)
1つはアップルのiPhoneのシェアを削りとるためだろう。日本語でもいろんなことができるGeminiを体験してしまうと確かにAIスマホがほしくなる。Apple Intelligenceの日本上陸が未定であることから、デジタルガジェットに強いProシリーズを好む層も含めて「今年スマホの買い換え・買い増しはiPhoneをやめて、Pixelにする人」が増えそうだ。
もう1つの狙いは、例年9月末にAlexaを搭載するスマートホームの主力製品を発表するアマゾンを牽制することだ。Pixel 9シリーズの発表直前に、グーグルは自社によるNestシリーズのスマートホームデバイスやGoogleホームアプリが、Geminiによるより複雑な遠隔操作に対応する計画を発表した。北米では年末までに、Geminiを活用したスマートホームコントロール機能のパブリックプレビューを開始する。
これから生成AIの時代にも、アマゾンとグーグルによる「スマートホームの覇権競争」が激しく繰り広げられそうだ。
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