ビジネス

2024.08.22 14:15

面白い会社がつまらない会社になってしまう3つの落とし穴

つまらない会社にする落とし穴2:変わった人を排除する

あなたの会社をつまらない会社にする落とし穴の2つ目は、変わった人を排除する、です。

企業活動において、中心にあるのは通常最大売上を実現している事業や最大利益を獲得している事業にあるのは間違いありません。ただ、そういった事業では売上の最大化、利益の最大化に向けて運営の効率化と最適化を継続していきます。

言葉を選ばずにいうと、組織は売上最大化マシン、利益最大化マシンへと変化していきます。そうなると売上最大化マシン・利益最大化マシンの効率を下げるような標準的な動きでは無い活動や人は排除されていきます。たとえば、売上・利益の最大化活動が今期だけにフォーカスしているとすると、来期以後に寄与するかも知れない活動は排除されていくリスクを内包しますし、現行事業の次に来る波に備えた活動も同様に排除されてしまいます。

一方、新しい価値創造は、周辺から生まれると言われます。社内外を問わず、異分野・異業種の人とコミュニケーションし、社内だけでは見えない新しい動きやトレンドなどを最初に感じている人はこういった変わった人ということが少なくありません。こういった変わった人を排除するということは新たに起こっている変化のシグナルを獲得する機能を自ら捨てていることになるのです。

変わった人を排除することなく、変わった人を新しい価値を産み出す面白い人と呼べる会社・組織は自分達が持っていない新しい価値についてアンテナが高く、好奇心と挑戦心旺盛なのです。

つまらない会社にする落とし穴3:「ミツバチ」役を軽視する

最近では「ポリネーター(受粉役)」という言葉が使われるようになってきましたが、従前から「ミツバチ」と私が呼んでいた人たちが面白い会社には存在しています。そういった方々はベテラン男性社員であることが多いので、「ミツバチおじさん」と呼んだりしていました。

「ミツバチ」の方々は、組織内では事業部長だったり役員だったりしないのですが、社内の強く広いインフォーマルネットワークを持っていて、面白い活動や開発への嗅覚が極めて高い人たちです。しかもベテラン「ミツバチ」は役員クラスと同期だったり、昔からのスポーツや趣味を通じての仲間だったりするので、アポなしで役員部屋に行って、役員も知らない面白い開発情報をインプットしたり、離れた部署間での協業を仕掛けたりします。

こういった「受粉活動」はこれまでにない新たなプロダクトや事業を産み出す上で極めて重要なのですが、事業が効率を求めることから「ミツバチ」は遊んでいるようにしか見えない為、事業の構造改革といった名目の元、その存在を無くしてしまうケースが少なくないようです。そうなると、各プロダクトライン・サービスラインの中でしか、進化がおこらない傾向が極めて強くなりますので、顧客からみても予測可能な平凡な商品が世に出てくることになるのです。

こういった面白い会社をつまらない会社にする落とし穴を排除すれば、皆さんの会社が更に面白くなってゆき、新たな価値を産む事業創造が加速していくと思います。

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文=茶谷公之

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