宇宙

2024.08.20 18:00

青く見えない「スーパーブルームーン」後の月と土星が接近、今週の夜空

Getty Images

天文ファンにとって今週最大のハイライトは、2024年に4回ある最初の「スーパームーン」が昇ることだ。今年はさらに「ブルームーン」の定義にも当てはまる。地平線近くに低く昇り、「月の錯視」が最大限になるところを観察しよう。そして翌日には土星に接近する。ただし、「ブルー」に見えることを期待してはいけない。

今週の星空観賞と天文について知っておくべきことを以下に述べる。

8月20日(火曜日):「スーパー・ブルー・スタージョンムーン」

2024年に4回ある「スーパームーン」の最初となる今月の満月(スタージョンムーン、チョウザメの月と呼ばれる)は、特に大きな注目を集め、20日午前3時26分に最大を迎えた。

月が地球を周回する軌道はわずかに楕円を描いているため、毎月、地球から最も遠くなる点(遠地点)と最も近くなる点(近地点)が存在する。近地点の満月はスーパームーンとして知られ、いつもより少しだけ大きく見える。

また、この月は2024年唯一の「ブルームーン」でもある。ただしこの「ブルームーン」という用語には2つの定義がある。昨年のブルームーンは、ある暦月の中で2度目の満月のことだった。今年のブルームーンは天文学者たちが好む定義によるもので、ある天文学的な季節(春分・夏至・秋分・冬至で区切られた季節)に満月が4回ある場合、そのうちの3番目をブルームーンと呼んでいる。どちらの定義でも比較的稀であり、数年に1度しか起きない。いずれも暦の上のめぐり合わせに過ぎず、実際に起こる天体イベントのことではない。そして、この満月は「ブルー」に見えるわけではない。

8月20日(火曜日)と21日(水曜日):月と土星が接近

来月に起きる年に1度の「衝」に向けて輝きを増す「輪のある惑星」である土星は、ますます美しい姿を見せている。

20日の日没からから21日の夜にかけて、「スーパームーン」を終えて欠け始める月のすぐとなりに土星が輝く(訳注:日本では土星が20日には月の左側に、21日には月の右側に見える)。 

今週の肉眼で見る天体:満月

地平線の近くに現れた月を観察すると、「月の錯視」を最大限に経験することができる。理由は未だに解明されていないが、木々や山々、ビルディングなどの近くに見える月を、人間の脳は本来よりも大きく見えていると解釈するようだ。

月を観察する人たちは、平面的に輝く満月よりも、多くのクレーターや山々に影が落ちる、満ちていく月や欠けていく月を好んで研究する。しかし、月の円盤全体が見えるのは満月の時だけだ。

月面の海とクレーター(Wikimediaの画像を加工)

月面の海とクレーター(Wikimediaの画像を加工)

月面はクレーター、山そして「海」と呼ばれる溶岩の平原で覆われている。小惑星の衝突によって形成されたクレーターの大きいものや溶岩の海は、満月の時に肉眼でも見ることが可能で、「晴れの海」と「静かの海」が隣同士に並び、ティコやアリスタルコスなどのクレーターも見えるかもしれない。

満月の観察に適しているのは、地平線上に現れた時だ。空高く昇って明るく輝く満月は、眩しくて長時間見ることが難しくなる。

forbes.com 原文

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