「Ferrari Style(フェラーリ・スタイル)」と同社が呼ぶフェラーリ初の既製服コレクションを主導するのは、ブランドのクリエイティブディレクターを務めるロッコ・イアンノーネ。ドルチェ&ガッバーナ、ジョルジオ・アルマーニ、パルジレリのデザインを手がけてきた人物である。フェラーリのファッションコレクションは、自動車会社としては先進的だ。
ブランドのトレードマークである「跳ね馬」で飾られた「ロッソコルサ(レーシングレッド)」カラーのパーカー、ボマージャケット、バギーパンツなどのコレクションは、若者の好みをよくわかっている。素材には反射テープやラバーが使用され、フェラーリのモータースポーツの歴史に敬意を表している。コレクションの半分以上はジェンダーレスだ。「若い世代にはブランドのエネルギーとパワーを表現する力がある」とイアンノーネはAP通信に語っている。
フェラーリの最新ファッションショーには、モデルのジョージア・メイ・ジャガー(ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの娘)や、ファッションメディア業界の重鎮アナ・ウィンターなどのVIPが集まり、盛り上げに一役買った。
フェラーリはイタリア・ミラノの旗艦店から米国ニュージャージー州のショッピングモール「アメリカン・ドリーム」にある店舗まで、いくつかのブティックを展開している。フェラーリのファッション部門は、若い世代がクルマを買うことなくブランドをサポートできる方法だと、専門家は考えている。それはまた、次世代の自動車エンスージアスト(熱狂的な愛好家)を育てる方法でもある。ブガッティやポルシェも小規模なファッションコレクションを展開しているが、高級ファッションブランドを設立した高級自動車メーカーは今のところフェラーリだけだ。