帝国データバンクが毎月実施しているTDB景気動向調査で算出した酒場DIの推移を見てみると、コロナ禍以降、改善と悪化を繰り返しながらも、全体的には右肩上がりで上昇し、2023年8月にピークを迎えている。全産業の景気DIと比較してもそれを上回っており、上昇傾向が見られていたが、2024年にかけては徐々に全産業の景気DIに近づきつつある。
主な要因としては、原材料高騰による値上げで販売数量が現象したことが影響している。
そうした中で、2024年7月は、前月に比べて4.4ポイント上昇の44.4となった。これは、暑い日が続く中で飲料の売れ行きがよく、中国への輸出は前期に比べて低調だったものの、韓国への輸出が伸びたため、酒類大手4社の連結売上高の予想(2024年12月期)は、4社とも前期比で増収となる見込みだ。
今後も、第3のビールの酒税引き上げを控え、物流の2024年問題によるドライバー不足による輸送費の高等など、懸念材料は尽きない。ただ、2026年10月に3度目のビール減税に向けて各社新ブランドの投入や新規顧客層の開拓などを行っており、右肩上がりの傾向を維持できるのか、各社の努力に注目したい。
出典:帝国データバンク「酒類業界の最新景況レポート(2024年7月)」より