※当記事における日付はすべて日本時間。予定は変更される可能性があります
スターライナー問題の余波
![ISSのハーモニー・モジュール(機首部分)に接続するボーイング社の有人宇宙船「スターライナー」。長時間露光による撮影で、地球地表の灯が流れて見えるⒸNASA](https://images.forbesjapan.com/media/article/73158/images/editor/ccf8b1f611cc49645587276dba80a976e75bd35f.jpg?w=1200)
スターライナーは初の有人テスト飛行として6月5日に打ち上げられたが、ISS(国際宇宙ステーション)へ向かう途中、機械船からヘリウムガスが漏洩し、スラスター(姿勢制御装置)にも不具合が発生。当初8日間が予定されていたミッションだったが、2カ月が過ぎた今もクルー2名はISSに留まっている。この事案によって、8月に予定されていたクルー9(第72次長期滞在ミッション)の打ち上げは9月24日に変更されている。
また、7月12日にはスターリンク衛星の打ち上げに際して、ファルコン9の第2段エンジンが再点火されず、軌道投入に失敗するという事故も発生した。その結果、2週間に渡って同機の打ち上げが停止されている。
民間人ミッションと成層圏バルーン
![「ポラリス・ドーン」は米国の起業家ジャレッド・アイザックマン氏による民間宇宙飛行ミッションであり、スペースX社が運営。700kmという高い高度で船外活動を行う予定ⒸSpaceX](https://images.forbesjapan.com/media/article/73158/images/editor/d60a02de9812773577eb2589c95611f8e239ffc2.jpg?w=1200)
クルードラゴンを利用した民間宇宙飛行は、さらに2件予定されている。そのひとつ「アクシオム・ミッション4」では、民間のビリオネア(超お金持ち)4名がISSに約1週間滞在する。打ち上げは10月に予定。
もうひとつの「フラム2」は、暗号通貨関連事業で財を成した起業家チュン・ワン氏による計画。ヒトが搭乗した宇宙船が史上はじめて極軌道(地球を南北に周回する軌道)に投入される。2024年後半以降にケネディ宇宙センターから打ち上げられる予定だ。
また、高度30kmを遊覧する成層圏バルーン「ネプチューン」(英国パースペクティブ社)は2024年内に営業を開始する予定だったが、試験飛行の遅延のため2025年に延期されそうだ。