食&酒

2024.08.25 10:45

「ワンプレート冷食」が「冷凍パスタ」を抑えてトップに

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1回の食事がバランスよくセットになった冷凍食品「ワンプレート冷食」の人気が急上昇している。これまで王者の地位を占めていた冷凍パスタを抜いて、いきなりトップに躍り出た。現代の食生活にマッチした超お手軽冷凍定食の勢いがすごい。

市況調査やマーケティング指針立案などを行うカタリナマーケティングジャパンは、「物価高においても盛り上がりを見せる冷凍食品カテゴリの新勢力」としてワンプレート冷食の消費実態調査の内容を公表した。それによると、2023年5月からの2024年5月の間で半年ごとのPOSデータの売り上げ成長率から、ワンプレート冷食は、購買金額、購買点数、購買回数ともに10パーセント以上の伸びを見せていることがわかった。

これまでトップだったのが冷凍パスタだが、このところは伸び悩んでおり、そこへワンプレート冷食が駆け上ってきた形だ。売り上げ規模では、冷凍パスタに次ぐ冷凍餃子の約半分にまで拡大しているという。
ニップン「よくばり御膳 鶏めしとチキン南蛮」

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ワンプレート冷食は、主菜と副菜がセットになっていて、それひとつでバランスのいい食事がとれるという便利なもの。飛行機の機内食のような感じだ。かつてアメリカでは、同じようなワンプレート食品「TVディナーディナー」が流行った。しかしそれは独身者がひとり寂しくテレビを視ながら食べるものというイメージがあり、そんな自虐的な通称が与えられていた。見た目も昔の学食のランチセットのようで寂しかった。それとは逆に、このところ日本の各メーカーが力を入れているワンプレート冷食は、栄養面はもちろん、見た目もしっかりしていて食欲をそそる。

ではどんな人が買っているのだろうか。カタリナマーケティングジャパンの調べでは、おもに中高年層に人気だとのこと。同社は、ワンプレート冷食と冷凍パスタの購入者が、ほかに買っているものの割合を示す「関連指数」を発表しているが、それによると冷凍パスタの購入者はしょうが焼きの素など調理の材料となるものを多く買っているのに対して、ワンプレート冷食の購入者はおかゆや介護食品を多く買っている。つまり、冷凍パスタはひと手間かけて調理をすることをいとわない人が買っていて、ワンプレート冷食は、少しでも調理の手間を省きたい人、高齢者など省かざるを得ない人が買う傾向が示唆されているということだ。

冷凍食品各メーカーは9月以降の値上げを公表しているが、シニア層への定着を目指すか、または若年層を取り込むか、ワンプレート冷食の差別化をどう図っていくかが注目点だとカタリナマーケティングジャパンは話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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