ヘルスケア

2024.08.20 12:00

偉大な芸術作品で体調が悪化? スタンダール症候群とは

ルーブル美術館(Shutterstock.com)

こうした何かに打ちのめされたような感覚について、フィレンツェにあるサンタ・マリア・ヌオーヴァ病院の精神科の主任医師だったグラツィエッラ・マゲリーニ元教授は1979年、20年をかけて行った研究の結果を発表した。
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その中でマゲリーニは、「芸術の素晴らしさを前に、旅行者が経験する」これらの不快な症状を「スタンダール症候群」と名付けた。ウフィツィ美術館を訪れ、カラヴァッジョやミケランジェロなどの作品に驚嘆したという観光客100人以上を対象に調査したところ、多くが突然のめまいや動悸、泣き叫び、パニック症状、発汗などを経験し、中には幻覚が現れたという人もいたと報告している。

発症の原因は?

スタンダール症候群は、医学界で広く認知されている疾患ではない。心を動かされるほどの美しさに圧倒された旅行者に起きるものだと考えられ、芸術や文化遺産であふれるフィレンツェやパリ、アテネ、東京、ローマなどの都市を訪れた旅行者によくみられるという。発生率などは正確に把握されていないが、一般的にはまれな疾患とされている。

さらに、ブラジル神経学会は、旅行中に発症の可能性が高くなるのは特に、「一人旅の人や、旅の終わりに近づいている人、宗教的な教育を受けている人」であるとの研究結果を公表している。また、発症のリスクが高くなるのは、ストレスを感じている、水分や食事、睡眠が不足している、といった状態にある人だという。
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forbes.com 原文

編集=木内涼子

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