この不安は、不慣れな場所に行くことに対する恐怖感と、旅行の計画を立てることに関連したストレスから生じるものだ。もともと不安を感じやすい性質ではない人でも、「コンフォートゾーン(快適な環境)」の外に出るということに、気圧されてしまうことがある。
旅の不安の原因は、乱気流や閉所恐怖症、墜落の恐怖などを要因とする飛行恐怖から、自宅を離れていることによる居心地の悪さ、新型コロナウイルスの流行によりさらに多くの人が感じるようになった広場恐怖まで、多岐にわたる。
それでも、これらの不安は適切な戦略を取り入れることによって、自分で管理することが可能だ。以下、心理学的テクニックを含め、専門家が推奨する5つのアプローチを紹介する。
1. 旅を視覚化する
代替療法を用いて顧客のホリスティック・ウェルネスの実現をサポートするニューヨークのMoon& Sunの共同創業者、ローレン・ラウターバックとコートニー・カニンガムは、自宅のドアに鍵をかけた瞬間から、そこに戻ってくる瞬間までを、10分かけて視覚化してみることを勧めている。出発する前日の朝にこの「視覚化エクササイズ」を行い、ポジティブになれる光景や匂い、感覚などを思い浮かべてみると良いという。この「精神的なリハーサル」は、旅の準備を整えるだけでなく、旅に期待するものを実現することにつながる。
2. 不安な気持ちを認める
心理療法士で認定臨床ソーシャルワーカー(LCSW)でもある作家のステファニー・メインズは、旅行に対して不安があることを認め、何に不安を感じるのか明確にしておくことを勧めている。自分が不安を感じているのだと認めることで、それが実際の危険に対する合理的な反応というわけではなく、一時的な、コントロール可能な感覚であることがわかるという。