BMW車でカードゲーム「UNO」が可能に 車載ディスプレイとスマホで

実際問題として、AirConsoleは運転者と同乗者が停止している車の中で過ごす時間がますます長くなっていくと考えている。特に、充電するのに給油よりも時間がかかる電気自動車(EV)への切り替えが進んでいるためだ。ゆくゆくは完全自動運転の車が開発されて、車内の全員が走行中にゲームをすることも可能になるかもしれない。

このような流れから、車内エンターテインメント市場への関心が高まっている。ソニー・ピクチャーズ テレビジョンとの提携に基づき昨年発表した米テレビ番組『クイズ$ミリオネア』の車載版など、AirConsoleはすでに提携する自動車メーカー向けにさまざまなゲームを開発している。

BMWグループ・デベロップメント・コネクテッド・カンパニー・アンド・テクニカル・オペレーションズの上級副社長のステファン・デュラッハは、自動車がゲームを楽しむ新たな場所になりつつあると考えている。「当社は顧客のためにデジタル体験全体の価値を引き続き高める」とデュラッハは語る。「パートナー企業の支援を得て、車載ゲームを新たな社会的体験にする。このエキサイティングなイノベーションとして、UNOのような家族で楽しめるゲームを提供できることをうれしく思う」

だが車載ゲームの分野は競争が激しく、ほとんどの大手自動車メーカーは現在、独自にまたはこの技術を専門とするパートナー企業を通じて取り組みを進めている。市場調査会社グローバル・マーケット・インサイトの調べでは昨年の車載ゲーム市場の規模は22億ドル(約3250億円)で、2032年にかけて年平均10%以上のペースで成長すると予測している。

ここ数年、テスラやフォルクスワーゲン、フォード、アウディなどの自動車メーカーが車載ゲームの提供を発表しており、Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)やUbisoft(ユービーアイソフト)などのゲーム専門企業も新製品を開発している。AirConsoleやフランスの自動車技術企業Valeo(ヴァレオ)のような特殊技術を持つ企業の急成長はこうした広範なトレンドの一部だ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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