Google Cloudが今年の8月、クラウドコンピューティングサービスであるGoogle Cloudに関連する最新テクノロジーを集めて、日本のデベロッパやビジネスパートナーに紹介する大規模なカンファレンスを開催した。この機会に来日した同社のクリスティーナ・ベア氏に、Google Workspaceの日本における近況、2023年3月に生成AIを導入した「
Gemini for Google Workspace」のアップデートなどについて話をきいた。
Google Workspaceを便利にする「4つの大きなアップデート」
2023年1月にグーグルに入社したベア氏は、Google Workspaceのバイスプレジデントとして、主にGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどコンテンツ制作向けツールを担当している。以前はマイクロソフトに18年間在籍して、Microsoft 365のバイスプレジデントだった。
Google Workspaceは大規模な企業から個人事業主まで、グーグルが開発・提供するクラウドコンピューティングツールを統合したビジネス向けプラットフォームだ。グーグルの生成AIであるGeminiを組み込んだ後、現在は100万人を超えるユーザーと数万の企業が生産性向上のためGemini for Google Workspaceを選択しているという。
8月開催のカンファレンス「Google Cloud Next Tokyo `24」の実施に合わせて、Google Cloudは大きな4つの発表を行なった。
1. Geminiアプリが日本語に対応
Geminiアプリが、日本語を含む45以上の言語で、150を超える国と地域をサポートしたことだ。グーグルが有料のGoogle One AIプレミアムプランで提供するGemini Advancedには、100万トークンのコンテキストウィンドウ(AIモデルが生成時に参照・解析に使う情報の規模)に拡張された最新のAIモデル「Gemini 1.5 Pro」が組み込まれている。8月現在、プロンプトへのテキスト入出力やユーザーインターフェース全般が日本語に対応している。
2. Geminiアプリ内で3つのアプリケーションを連携
Geminiアプリ内でGoogle Workspaceの拡張機能としてGmail、ドライブ、ドキュメントの3つのアプリケーションが連携する。ベータ版として立ち上がった機能だが、プロンプトの頭に「@」マークをタイピングしてから拡張機能(アプリケーション)を選び、続けてキーワードを入力する。例えば「@Gmail 7月に届いたメールの中から領収書を仕分けて、かかった経費を合算して」といった具合にリクエストを投げると、GeminiがGmailに届いた書類を仕分けして金額をまとめてくれる。これはとても便利だと筆者も実感する。
GeminiアプリからGoogle Workspaceのツールを呼び出して、ツール内の情報を生成AIに処理させる拡張機能が登場