そんななか、ハワイ州観光局が発表したデータを見ると、ハワイを訪れる日本人観光客の旅のあり方が確かに変わってきている。
ハワイ観光業の日本市場 夏休みはコロナ前の7割前後まで回復
まず、ハワイの観光業の現状について紹介しよう。2024年6月にハワイを訪れた観光客は、87万2620人。2019年6月の95万1628人と比較すると91.7%。コロナ前とほぼ同じ水準まで回復していると言える。一方、日本人観光客に限ってみると、2024年6月は5万9874人。2019年6月の12万8134人と比べると、わずか46.7%。夏休み期間に入った7月後半から8月現在の日別ハワイ到着人数をみても、日本人は2019年比で7割前後までしか回復していない。
ハワイ全体の観光業はすっかりコロナ前と同じような様相を呈しているが、日本人については当初予測されたような順調な回復は見られず、2024年夏になってようやくコロナ前の7割程度の水準まで戻ってきた段階にある。
日本人観光客のデータ 滞在のスタイルに変化
日本人にとって、ハワイは不動の人気の地。新型コロナ関連の各種規制がなくなれば、当然のように日本人観光客が大勢ハワイを訪れるものと考えられていた。それにも関わらず、日本人観光客の回復を阻んできたのは、コロナ禍から加速してきた急激なインフレと歴史的な円安だ。家賃から食料品など、あらゆるモノの値段が軒並み上がり、ハワイ州政府は2022年9月まで時給10.10ドルだった最低賃金を、10月に12ドルへ、2024年1月には14ドルに引き上げた。今後も2028年の18ドルまで段階的に引き上げていくことからも、生活コストの上昇がわかるだろう。
これに歴史的な円安が追い打ちをかけ、この煽りは当然、ハワイを訪れる日本人観光客にも及んでいる。現地での食事代、観光ツアー代なども上昇し、旅行代金総額が大きく膨らむことになってしまったのだ。
その結果、ハワイを訪れている日本人観光客の滞在スタイルが様変わりしてきたようだ。それが、ハワイ州観光局が発表するデータでも見えてきている。