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2024.08.16 12:00

【米国株ウォッチ】GMのQ2決算はトラック販売が好調、ただ米国市場には警告の兆しも

Mario Tama/Getty Images

ゼネラル・モーターズ(ティッカーシンボル:GM)は、今年最も好調な大型自動車株のひとつであり、収益性の改善とトラック販売の増加により、株価は年初来で約20%上昇した。比較として、同業のフォードの株価は同期間に17%下落している。

直近の決算動向

先日GMは2024年第2四半期決算を発表し、収益は前年同期比7.2%増の480億ドル(約7兆708億円)となり、四半期としては過去最高を記録した。EPS(一株当たりの純利益)は3.06ドルに達し、市場予想を10%近く上回った。さらに、同社は通期ガイダンスを引き上げ、調整後の営業利益を従来予想の125億~145億ドル(約1兆8411億~2兆1357億円)の範囲から、130億~150億ドル(約1兆9146億~2兆2091億円)へと上方修正した。第2四半期の販売台数は前年同期比0.6%増の69万6086台だった。

特筆すべきは、フルサイズトラックの販売台数が前年同期比6%増の22万9000台となったことである。GMはピックアップトラック市場での存在感を増しており、前四半期のトラック販売台数も5%増加していた。利益率の高い、シボレーおよびGMCブランドのピックアップトラックとSUVの販売増は、同社の収益性を高める可能性が高く、この傾向はGMにとって有益である。さらに、GMが昨年11月に実施した全米自動車労働組合(UAW)との新たな協約も、これまでのところ同社の業績に予想以上の影響を及ぼしている可能性が高い。UAWがこの新協約を受け入れたことによってGMの人件費は約11%上昇したが、同社が営業利益のガイダンスを引き上げたことは、同社がこれらのコストを吸収できたことを示している。

米国市場には警告の兆しも

とはいえ、米国の自動車市場には警告の兆しもある。消費者心理が冷え込み、高金利が自動車の購入にかかるコストを高めているため、自動車業界全体の販売台数は減少している。JDパワーによると、7月の新車平均取引価格は前年同月比2.6%減の4万4300ドル(約652万円)となったが、これはメーカーが販売促進のために行う値引きなどが増加したことによる。さらに、米国の雇用市場は冷え込みを見せており、7月の非農業部門雇用者数は11万4000人増と、6月の17万9000人増を大幅に下回り、市場予想も下回った。この景気減速は、個人消費と自動車市場にさらなる影響を与える可能性があるだろう。
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翻訳=江津拓哉

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