私たちはVisaの目標株価を305ドルとしており、これは米国時間8月14日現在の株価261ドルよりも約15%低い水準だ。
過去3年間の株価パフォーマンス
Visaの株価は、2021年1月初旬につけた215ドルから、現在の261ドル前後という水準まで、約20%の力強い上昇を示している。過去3年間それぞれのリターンを見ると、2021年は0%、2022年はマイナス3%、2023年は26%だった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、Visaのリターンは2021年にS&P500を下回った。直近の決算動向
Visaが直近発表した2024年第3四半期の業績では、利益は市場予想を上回ったが、収益はそれを下回った。純収入(収入から顧客インセンティブを差し引いたもの)は前年同期比10%増の89億ドル(約1兆3118億円)で、サービス収入の8%増、データ処理収入の9%増、国際取引収入の同程度の増加などが牽引した。主な経営指標を見ると、決済件数は前年同期比7%増、処理件数は同10%増、クロスボーダーは同12%増であった。費用の面では、当四半期の営業費用は前年同期比で4%減少した。その結果、当期純利益は前年同期比17%増の48億7000万ドル(約7177億円)となった。第3四半期までの累計収益は、前年同期比9%増の263億ドル(約3兆8762億円)だった。これはデータ処理収入が12%増加し、国際取引収入とサービス収入がともに9%増加したことによる。さらに、同期間中、収益に占める営業費用の割合が減少したため、純利益は前年同期比15%増の144億3000万ドル(約2兆1268億円)となった。
私たちは、今後発表される第4四半期の収益も同様のトレンドを描き、通年での収益は358億3000万ドル(約5兆2804億円)に達すると予想している。また、調整後の純利益は201億ドル(約2兆9620億円)に達すると予想した。その年間純利益を1株あたりに換算したEPSは9.88ドルとなり、その数字に31倍弱のPER(株価収益率)を掛け合わせ、冒頭で述べた目標株価の305ドルを算出した。
(forbes.com原文)