訪日客誘致に関するコンサルティングなどを行うFAST TRAIN JAPANは、同社が運営する外国人向け日本旅行情報サイト「Tokyo Cheapo」と「Japan Cheapo」の利用者を対象に、日本を旅行する際の最大の恐れについてアンケート調査を行った(回答者は314人)。その結果、トップは想像どおり「自然災害」だった。
東関東大震災、熊本地震、能登半島地震、そして先日の日向灘地震と大きな地震のニュースが世界を駈け巡った。大雨や洪水のニュースや動画もSNSで世界中に発信されている。これらを見れば、日本は自然災害が連発する怖い国だと思われても仕方ない。
2位は、自然災害とほぼ同じ割合で「病気や事故」だった。3位は「詐欺被害と犯罪被害」、4位は「福島第一原発の放射能」、5位は「野生動物」となった。福島の放射能を除けば、どの国でも遭遇しうる問題だ。
しかし、これらすべてに共通するのは、外国人向けの情報発信が少ないということ。災害に関しては、緊急警報などはほとんど日本語でしか流されない。南海トラフ巨大地震に関する臨時情報も、「訪日外国人向け災害時情報提供アプリに巨大地震注意の情報が見当たらなかった」との意見もあった。警報が出ても、何をどうすればいいのかわからない。日本人には常識となった地震や津波や洪水の対策を、外国人にもわかりやすく伝える必要があるということだ。
病気や事故も、言葉が通じないことが不安を増大させる。犯罪被害や危険な動物についても同様、安心して旅行してもらうためには「自然災害や事故、病気などに関しては、多言語での具体的な情報と対応が必要」とFAST TRAIN JAPANは指摘する。
福島第一原発の放射能を怖れる人が11パーセントもいるのは、正しい情報が海外に伝わっていない証拠だ。福島の現状、日本全体の放射能汚染に関するデータなどを積極的に発信する必要があるだろう。まずはお客さんに安心してもらうこと、それが「おもてなし」の基本だろう。
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