欧州

2024.08.15 12:00

ウクライナ軍、クルスク侵攻に2個空挺旅団を増派 損害被るも勢い衰えず

米国製ストライカー装甲車の3Dイラスト(Mike Mareen / Shutterstock.com)

ロシア軍は自動車化狙撃部隊や空挺部隊、海軍歩兵部隊など少なくとも9個の連隊・旅団の部隊で応戦している。総兵力はウクライナ軍の侵攻部隊と同規模かそれ以上かもしれない。
advertisement

注意すべきは、ロシア軍はクルスク州方面の防衛の強化を図りながら、ウクライナ東部での攻勢も緩めていないことだ。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)の14日の作戦状況評価によれば、ロシア軍はポクロウシク、やトレツク、チャシウヤール各方面で同日も突撃を行っている。

クルスク州の最前線の戦闘は両軍の部隊が至近距離でまみえ、混沌としたものになっているようだ。ウォールストリート・ジャーナル紙のヤロスラフ・トロフィモフ記者は「前線は流動的で、森林の多い農村部をウクライナ軍とロシア軍の小規模な部隊が徘徊している」と伝えている

双方とも損害は拡大している。ウクライナ側は狼狽したロシア人数十人を捕虜にした。ロシア側はウクライナ軍の数個の強襲グループを待ち伏せ攻撃し、数十人にのぼるともみられるウクライナ兵らを殺害した。
advertisement

空中では、ロシア側はヘリコプター数機とスホーイ戦闘爆撃機1機を失ったと伝えられる。ウクライナ側はミグ戦闘機1機とそのパイロットを失ったが、場所は不明だ。

クルスク侵攻が2週目に入るなか、双方とも増援部隊を送り込み、ウクライナ側はほかの方面への影響も計算に入れたうえでリスクをとってもいる。その結果、状況はぎりぎりのところで均衡している。

ウクライナ軍の侵攻部隊は損害を被りながらも、今のところまだ勢いを保っているのかもしれない。CDSは「クルスク方面のロシア軍司令部は追加の部隊やアセット(予備)からなる第2陣を急派せざるを得ないだろう」と予想している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事