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2024.08.15 16:00

ヴィクトリアズ・シークレットの富豪がAI投資で「棚ぼた利益」

ウェクスナーが保有するコアウィーブ株の価値は、7億2000万ドル(約1060億円)に達する。同社は、来年IPO(新規株式公開)を目指すと噂されている。この棚ぼたとも言える利益を巡って、現在法廷闘争が行われている。

裁判では、ジェフリー・エプスタインがウェクスナーの家族信託から4600万ドルを盗んだとされる件のほか、その後ウェクスナーが資金管理のために雇った親子や、破産したヘッジファンドによるコアウィーブへの1億ドルの投資、手数料の二重取り、ウェクスナーの財務情報を含むファイルの消失など、さまざまな疑惑が取り沙汰されている。

フローレンス・キャピタルは、ウェクスナーが2023年11月に7100万ドル相当のコアウィーブ株を売却した際に、3万986%という想像を絶するリターンを生み出した投資アドバイスに対する手数料を支払う義務があったと主張している。このときの売却益と残りのコアウィーブ株を合わせると、ウェクスナーが得た利益の総額は8億ドル(約1180億円)弱となる。

データセンターからも利益

ウェクスナーは、コアウィーブ以外にも、AIブームを支えるデータセンターの増設に賭けている。彼は2019年以降、オハイオ州ニューオールバニーの自宅周辺や隣接するリッキング郡に保有する4億5000万ドル以上の土地を、グーグルやメタ、フェイスブックなどのハイテク大手や、ブラックストーンのようなウォール街の大企業の大規模データセンター用地として売却している。

ワシントンD.Cに本拠を置く補助金監視団体「グッド・ジョブズ・ファースト」によると、フランクリン郡とリッキング郡では、昨年だけで150億ドル以上のデータセンター投資計画が発表されており、ウェクスナーは今後も同様の取引を行う可能性が高い。彼は、自身が経営する不動産開発会社「ニューオールバニー」を通じて、現在もこの地域に8億5000万ドル相当の農地を所有していると見られる。

フォーブスが4月に発表した記事によると、インテルが200億ドルを投じてニューオールバニーに建設する世界最大規模の半導体製造工場を誘致する上で、ウェクスナーが重要な役割を果たしたという。それによると、オハイオ州コロンバス郊外に本拠を置くニューオールバニーは、すぐに着工可能な1000区画もの農地を準備したことで、他の数十州との競争に勝つことができたという。ウェクスナーは、この取引だけで3500万ドルの利益を得たとされる。彼は現在、インテルの工場敷地に隣接した400エーカーの土地にサプライヤーを入居させるための複合施設を建設中だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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