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2024.08.15 16:00

ヴィクトリアズ・シークレットの富豪がAI投資で「棚ぼた利益」

レス・ウェクスナー(左)とエド・ラゼック(右)(Astrid Stawiarz/Getty Images for Fragrance Foundation)

レス・ウェクスナー(左)とエド・ラゼック(右)(Astrid Stawiarz/Getty Images for Fragrance Foundation)

ヴィクトリアズ・シークレットの親会社「Lブランズ」の創業者でビリオネアのレス・ウェクスナーは、有罪判決を受けた性犯罪者ジェフリー・エプスタインの顧客であったことが報じられ、2020年にCEOの座から退いた。そのウェクスナーが、近年の人工知能(AI)ブームに乗じて大金を手にしたことが明らかになった。

彼は、AtlanticCrypto(アトランティッククリプト)というスタートアップに100万ドルのシード投資をしたが、同社はその後CoreWeave(コアウィーブ)に社名を変え、クラウドコンピューティング業界の大手企業に成長した。現在86歳のウェクスナーの家族信託は、7億2000万ドル相当のコアウィーブ株を保有している。オハイオ州在住のウェクスナーは、米国で最も裕福な人物の1人であり、その保有資産は推定63億ドル(約9260億円)にのぼる。

ウェクスナーが、評価額190億ドルのコアウィーブに出資していることは、ウェルスマネジメント会社「フローレンス・キャピタル・アドバイザーズ」が、2024年5月にニューヨーク南部地区の連邦地方裁判所に起こした訴訟で明らかになった。ニューヨークに本拠を置く同社は、2019年にウェクスナーの家族信託にコアウィーブへの出資を助言したことで、690万ドルの手数料を受け取る権利があると主張している。

コアウィーブは、AIモデルの構築に使用されるGPUへのアクセスを提供しており、AIスタートアップの中で最も評価額が大きい企業の1つだ。同社は、5月にブラックストーンから75億ドルをデット(債務)で調達し、今年初めにはAIのトレーニングに必要な処理能力を提供する大規模データセンターネットワークを構築するため、さらに11億ドルを調達した。同社は、2019年の段階では経営難にあえぐ暗号資産の採掘業者に過ぎず、ニュージャージー州にあるガレージでAIスタートアップにグラフィックチップをサブリースし始めたばかりだった。

ピッチブックのデータによると、コアウィーブは2019年3月にシードラウンドで120万ドルを調達している。ウェクスナーのマネー・マネージャーであるフローレンス・キャピタルのグレッグ・ハーシュは、このとき100万ドルをコアウィーブに投資した。その後、彼は同社のシリーズAラウンドで60万ドルを投資し、さらに転換社債に追加出資した。これらの資金は、ウェクスナーの4人の子どもであるサラ、ハンナ、デビッド、ハリーのために設立した信託に預けられた。
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編集=上田裕資

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