経済・社会

2024.08.16 08:00

女性が「同性が座る席の隣」を選べる機能をインドの航空会社が試験中

米国のほとんどの大手航空会社は同様の問題を抱えている。アラスカ航空では、機内で女性の体を触った男を乗り合わせた非番の警官2人が取り押さえるという事案があった。また、同航空の別の便では、男性が女性の太ももを触っていた事実を隠すために毛布を使っていたと被害に遭った女性が報告している。ファーストクラスの乗客も必ずしも安全ではない。ある女性は、ファーストクラスで隣の席に座った男性に髪を触られ、尻をつかまれたとしてアメリカン航空を訴えている。スピリット航空とユナイテッド航空でもフライト中に同様の事案があった。

すべての被害者が女性というわけではない。サウスウエスト航空は今年、隣の席の酔った男性(50)に体を触られたとして少年(16)に訴えられた。

こうした痴漢行為は今に始まったことではない。20年前には、米ハワイ州下院の元議長が、隣の席の女性の股間を触ったと告発され、辞職に追い込まれた。また、10年ほど前には、カトリック教会の神父が隣の席の女性の胸を触って禁錮6カ月を言い渡された。

残念ながら、このような事案の発生頻度について信頼できる統計はない。エレノア・ホルムズ・ノートン下院議員は2014年に機内での性的暴行を追跡する法案を提出したが、通過しなかった。体を触られたという証言は数多くあるが、毎日300万人近くが飛行機を利用しており、大多数の男性は同乗者に迷惑をかけていないことも忘れてはならない。

痴漢の証言のほとんどに酔っ払った乗客が関わっている。この問題を懸念している航空会社は、機内でのアルコールの提供に関する規則を見直した方がいいかもしれない。

インディゴの担当者は、新しい機能の導入は市場調査を受けてのもので、「現在、当社の『#GirlPower』の理念に沿って試験されている」と説明した。同社は女性や少女らを力づける取り組みを他にも行っており、世界の航空会社の中でも女性パイロットの割合はトップクラスだとアピールしている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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