欧州

2024.08.14 11:30

ウクライナ空軍機がクルスク侵攻に参加 滑空爆弾でロシアの指揮所爆破

ウクライナ空軍のSu-27戦闘機。2018年7月、英イングランドのフェアフォード空軍基地(VanderWolf Images / Shutterstock.com)

双方とも侵攻地域やその周辺に作戦機を投入しているが、その数はロシア側のほうが多い可能性がある。ロシア軍機は、クルスク州内の侵攻部隊とスーミ州内のその基地の両方を空爆している形跡がある。
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一方、現時点でウクライナ軍機による爆撃が確認されているのはチョトキノの指揮所に対するものだけだ。つまり、ウクライナ側は前線のすぐ上空には航空戦力を展開させていない可能性がある。

それは理にかなっている。ウクライナ側はドローンやミサイルによってクルスク州内やその周辺のロシア軍の航空基地に対する攻撃をエスカレートさせているものの、ロシア側のほうが依然として作戦機の数も航空爆弾の数も多いからだ。また、欧州の支援諸国から供与される計85機のF-16の到着には時間がかかっており、今後も少しずつしか入ってこない見通しになっている。

しかもウクライナ空軍はこの夏、ロシア側による航空基地への度重なる攻撃で駐機中の戦闘機などを数機失った。残りの作戦機はわずか100機ほどかもしれない。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)のノンレジデント・フェロー、ハンス・ペテル・ミットゥンは、クルスク侵攻は「すでに(戦力が)引き伸ばされているウクライナ軍にとって試練になるだろう」と予想している。
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ロシア空軍がウクライナに対する空戦に投入している爆撃機およそ300機は、合計で滑空爆弾を1日最大100発投下できる。規模で劣るウクライナ空軍が1日に投下できる滑空爆弾数は、それよりはるかに少ないはずだ。

とはいえ、作戦機や航空爆弾をはじめ重火器の装備が著しく不利な状態にありながら、ウクライナ軍がたんにロシアに侵攻したばかりか、その侵攻に失速の兆しがみられないのは驚くべきことだ。

匿名のウクライナ高官はミットゥンに、「われわれは攻勢に出ている。敵の陣地線を引き伸ばし、最大限の損害を与え、国境を守れないロシアの状況を不安定化させることが狙いだ」と説明したという。

ロシアはクルスク方面で、地上だけでなく空中でも脆弱性を抱えている。開始から1週間たつ侵攻作戦へのウクライナ軍機の参加がそれを示している。
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ウクライナはクルスク電撃侵攻をどのように成功させたのか 現代戦の最前線

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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