全米教育統計センターによると、2021-2022学校年度に学業以外での携帯電話の使用を制限していると回答した学校は77%だった。非営利団体コモンセンス・メディアの調査では、10代の若者の約97%が学校内で携帯電話を使用していることが明らかになった。
学校での携帯電話の使用制限を求める声が近年高まっているのは、携帯電話の使用が増えるにつれて、SNSが青少年に悪影響を及ぼしていることが研究結果で示されているためだ。米シンクタンクのピュー研究所が4月に行った調査によると、米国の高校教師の約72%、中学教師の約33%が授業中に携帯電話で注意力が散漫になることは「大きな問題」だと回答している。
全米で携帯電話の使用制限を求める声が上がっているにもかかわらず、制限に反対しているのは「緊急時に携帯電話が必要」と主張する保護者がほとんどで、その一方で実際に使用を制限するのは難しいという学校関係者もいる。
米国の公衆衛生政策を指揮するビベック・マーシー医務総監は6月のニューヨーク・タイムズへの寄稿で、「SNSは青少年の精神衛生に重大な害を与える可能性がある」と指摘し、SNSプラットフォームに警告の表示を義務づけるべきだと述べた。マーシーは2023年にも、「重大なリスク」が証拠で示されているとして、SNSの使用が青少年の精神衛生に与える影響について警告を発した。
(forbes.com 原文)