紙版の復活を決めた米雑誌『Playboy』、ただし発行は年1回

Getty Images

米雑誌『Playboy(プレイボーイ)』の紙版が復活する。同誌を発行するPLBY Group, Incは2024年8月8日、伝説の雑誌の紙版の発行を再開すると発表した。ただし、今後は年1回の発行となり、2025年2月からスタートする。

Playboyは2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる混乱を理由に、1953年以来66年の歴史を持つ紙版雑誌の発行を停止した。紙版の復活とともに、同社は、Playmateフランチャイズも再開し、2024年と2025年の「プレイメイト・オブ・ザ・イヤー」を世界規模で募集する。さらに、Playboy.comのサイトデザインも新しくなった。

Playboyは数十年前から、変化するメディア界の中で確かな足場を確保しようともがいてきた。Playboyの発行者で編集長だったヒュー・ヘフナーは、2017年にこの世を去ったが、1953年12月のPlayboy創刊号でマリリン・モンローのヌードを見開きページで掲載した当時、同誌の競争相手は、他の成人向け雑誌だけだった。

1990年代に入ってインターネットが発展するなかで、ボタンをクリックするだけで見られるアダルトコンテンツが数多く配信されるようになり、露骨な性的画像は、出版物に課せられていた制限を受けることなく、よりきわどいものとなった。その後状況は二転三転した。2016年、Playboyは雑誌でのヌード掲載を中止したが、翌年にはヌードを復活させた。

今回Playboyの舵取り役を任されたのは、メディアのベテランであるマーク・ヒーリーだ。彼の経歴には『GQ』『Rolling Stone』『Men’s Journal』での上級職が含まれている。

2025年2月号は、2025年2月9日にルイジアナ州ニューオーリンズの「シーザーズ・スーパードーム」で開催される「ビッグゲーム・ウィークエンド」と第59回スーパーボウルに合わせて発行される。

Playboyの最新発表には、「オリジナルコンテンツは、クリエイターエコノミーを取り入れることに重点を置いて制作される。現在第一線で活躍するクリエイターたちと提携して、彼らの独創的な関心を紹介する」と書かれている。ターゲットとなる読者は若く、可処分所得が充分にある層になることを示唆している。
次ページ > 今さら動いたところで遅きに失したかのではないか

翻訳=藤原聡美/ガリレオ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事