北米

2024.08.11 17:00

米テキサスで進む世界最大の3Dプリント住宅地建設、「月進出」も視野

分厚い壁、屋内は静かで涼しく

ペンキを塗る前の厚い壁はグレーのコーデュロイのようだ。基礎部分と金属の屋根の作業は、従来通り建設作業員が行う。ロイター通信の8日付の報道によると、ICONはウルフ・ランチで100軒目の住宅の壁を間もなく完成させるところまで来ている。住宅所有者らによると、分厚いコンクリート壁のおかげで家の中は静かで、テキサスの暑い気候でも断熱性が高く、涼しく保たれているという。

極端な天候に強い

住宅所有者のアンジェラ・ホンタスは「コンクリートの床は文字どおりとても涼しい。バイパス道路のすぐそばという立地だが、騒音はない」とロイター通信に語っている。

分厚いコンクリートの壁に欠点があるとすれば、それはWi-Fiに関してだ。電波を通すためのメッシュネットワークが必要となる。住宅は平屋建てで、寝室が3、4部屋あり、壁は水やカビ、シロアリ、異常気象に強い。極端な天候に耐えられることから、ICONはすでに次のプロジェクトを視野に入れている。

ICONはテキサスで育まれたこの技術をいつカ月に届けたいと考えており、ロボットによる3Dプリントのソリューションは米航空宇宙局(NASA)の目にとまっている。NASAは月を探査するアルテミス計画の一環として、離着陸場やシェルター、「月面上のその他の構造物」を建設するシステムの開発でICONと契約したとロイター通信は伝えている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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