巨大なルンバのようなこのロボットには、まだ名前がないが、開発元のDexory(デクソリー)のCEO、アンドレイ・ダネスクは、「バッテリー残量や充電の管理という点において完全に自律的で、家庭用ロボットに非常に似ている」と述べている。
倉庫の在庫状況や商品の状態、配置場所などに関する最新の情報を把握することがこのロボットの任務だ。「パレットの動きや商品の在庫数、商品を保管する環境など、倉庫内で起こっていることを全て把握できる」とダネスクは言う。
まだ名前のないこのロボットは、独自のSLAM(自己位置推定と環境地図作成)技術を使って環境を感知し、倉庫の通路を素早く移動する。人や障害物を避け、ラック上のあらゆるものを継続的にスキャンする。収集したデータは倉庫管理システムにアップロードされ、パレット番号やバーコード、マシン・ビジョン技術などによって箱やパレットの中身を解読するソフトウェアを使って倉庫のデジタルツインが生成される。
バッテリーが不足すると、ロボットは充電ステーションまで移動し、数時間充電して自動的に作業に戻る。
マッキンゼーは、企業が倉庫管理に費やすコストが年間3500億ドル(約55兆円)に達すると推定しており、そのコストはますます増加しているという。同社は、倉庫の管理のデジタル化によって、オペレーション効率を20~25%改善できると推定している。
デクソリーは、同社のロボットとスマート・ソフトウェアが倉庫管理の効率化に寄与すると考えている。「これは、グローバルな可視化プラットフォームだ。100カ所の倉庫に導入すれば、中央管理者が全てのデータを一元管理することが可能になる」と同社は述べている。
(forbes.com 原文)