ジョージ・ワシントン大学と、食品やサプリメントの検査を手掛けるConsumerLabの研究者は、アマゾンやGNC、ホールフーズ・マーケットなどの小売業者から購入した70種類以上のダークチョコレートとココア製品に含まれる鉛、カドミウム、ヒ素の量を8年間にわたって調査した。
学術誌Frontiers of Nutritionに掲載されたレポートによると、カリフォルニア州が定めた1食あたりの摂取許容量を超えた製品が、鉛に関しては43%、カドミウムに関しては35%あったという。同州は厳しい基準を設定しており、研究者たちは、食品の重金属汚染を調査する際の保守的な安全基準として用いている。
FDA(食品医薬品局)は、カドミウムやヒ素の規制基準を設定していない。鉛など他の有害物質については、キャンディーやベビーフードのような特定の製品にのみ設定している。
研究者らが検査した製品のうち、カリフォルニア州が設定したヒ素の最高基準値を超えたものはなかった。また、72製品中70製品(97%)について、鉛のレベルがFDAの基準値を下回っていた。研究者らは、チョコレートから検出された重金属を1食分摂取しても大きなリスクをもたらす危険性は低いが、複数食分を摂取したり、お茶やスパイスなどの重金属を含む可能性のある他の製品と一緒に食べた場合には、「潜在的に問題になる恐れがある」としている。
これまでにも、コンシューマー・レポートなどが、人気のチョコレートブランドに重金属が含まれていることを指摘するレポートを公表している。
全米菓子協会は、声明の中で次のように述べている。「チョコレートとココアは、過去数世紀に渡って食されてきたように、今後も安全なお菓子として楽しむことができる。食の安全と製品の品質は、当協会にとって今後も最優先事項であり続ける」