ここ数年で、日本の精神性や現代日本人の生活文化が注目を浴び、日本文化について高い評価がされるようになってきている。では、実際に海外から見た日本のブランドイメージとはどのようなものなのだろうか。
経産省のクールジャパン政策課と協働し、『海外都市から見た日本ブランドの今と今後の可能性』をテーマに調査を実施したBIOTOPE代表の佐宗邦威にインタビューした。
「熱狂よりも探求したい」と思わせる日本の強みとは何か。
アニメ、漫画、ゲームだけじゃない 精神性への共感
──今回の日本のブランドイメージ調査を展開する経緯や背景を教えてください。佐宗:去年のコロナ明けに、世界一周旅行をして、ヨーロッパとアメリカと南米の3地域を旅行したことがきっかけです。その時に、 特にニューヨークに在住の方から、「日本の文化ってすごい。今まさに来てるし、これからもっと来る、すごいポテンシャルがあるんだ」と力説されました。
確かに僕も、日本食とかの広がりがすごい強いなというのは旅行中にも実感したのですが、 例えばアニメ、漫画、ゲームのコンテンツがいいとか、食、酒というコンテンツが魅力だと思われてる以上に、 精神性に実は強みがあるんだということをその時に感じました。
そこで、例えばアニメがすごく世の中に浸透しているっていう比較的認知とか関心が高いことよりも、深いところを理解している人々が増えてきているっていう質的な変化が実はあるんじゃないかって仮説を立てました。
帰国して、経産省の方とも意見交換する機会があって、海外の現場の調査をすることは経産省が今までしてこなかったので「外から日本を見てみる」という視点でこのリサーチプロジェクトを実施するのは、画期的な学びがあるだろうと実施に至りました。
国家ブランド指数1位 海外から見た日本、知られざる4つの価値
──この国家ブランド指数が1位というのは、あまり知られてない順位なのでしょうか。
佐宗:GDPが4位に落ちたというのは、 もちろんみんなが知ってることだと思います。その一方で、イプソス国家ブランド指数(NBI)だと1位ですし、他のリサーチを見ても、日本がトップスリーに入ってるものが結構あります。
ソフトパワーの点で見た時には、すごく価値が上がってるという実態があるのですが、その部分がほとんど知られていないっていう現状がとてもよくないなと感じています。