アジア

2024.08.09 17:00

シャオミが支援する自動運転向け半導体「ブラックセサミ」が上場

「サプライヤーとしてこの分野で勝つためには、必ずしも最高の技術を持っている必要はない。適切な価格で十分な技術があればいい」ととマッコーリー・キャピタルのアナリストは語る。「ブラックセサミのような企業の目標は、エヌビディアのような大手を打ち負かすことではない。彼らの目標は、中国の自動車メーカー向けに安価なチップを大量に供給できることだ」

ブラックセサミの2023年の売上高は、前年比89%増の3億1200万元(約64億円)で、その大部分を自動運転向けのプロダクトが占めていた。同社はまた、人工知能(AI)を用いた人物写真の加工などのソリューションからも収益を得ており、売上増加の要因としては、2022年後半にチップの量産を開始し翌年3月までに15万個以上を出荷したことを挙げている。

多額の研究開発費用によって赤字が続く予想

しかしブラックセサミの2023年の純損失は、49億元(約1000億円)で、前年の28億元から拡大した。同社は、2024年も多額の研究開発費用によって赤字が続くと予想している。

中国の金融当局は、香港の低迷するIPO市場を活性化するために、専門的なテクノロジー企業の上場審査基準を緩和する「18C」という規則を昨年3月に発効した。ブラックセサミは、この規則のもとで上場した2番目の企業だ。最初に上場したのは、中国のAI創薬のスタートアップ企業のXtalpi(晶泰科技)で、6月上場以来、8日までに8%以上株価を上昇させている。

一方、ブラックセサミの国内の競合であるホライゾン・ロボティクスも3月に香港市場でIPO申請を行ったが、詳細は明らかにしていない。このスタートアップは、約5億ドルを調達する予定だとブルームバーグは報じていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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