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2024.08.08 12:30

米ディズニー、「テーマパークの需要減速」で株価急落

AaronP/Bauer-Griffin/GC Images

米ウォルト・ディズニーが8月7日発表した第3四半期(4〜6月)決算は、収益の柱であるテーマパーク部門の需要の鈍化が示された。これを受け、同社の株価は2024年の最安値を更新した。

ディズニーが7日の市場の取引開始前に発表した第3四半期決算は、利益と売上高がいずれもアナリスト予想を上回った。しかし、同社の株価は5.2%下落し、今年の最安値の85.96ドルに沈んだ。

この下落は、世界経済の減速懸念が市場を神経質にさせる中、ディズニーの経営陣が消費の低迷を警告したことにより発生している。

決算発表でディズニーは、米国のエクスペリエンス部門の「需要の緩和」を警告した。テーマパークを含む同部門の利益は、同社の前四半期の世界の営利業利益の約52%を占めていたが、ボブ・アイガーCEOは、「低所得層の消費者が少しストレスを感じている証拠がある」と語り、支出の引き締めが起きていることを示唆した。

7日の市場では、同時期に決算報告を行った他のいくつかの注目企業も株価を下落させており、Airbnbが14%安、アムジェンが6%安、リフトが15%安、スーパー・マイクロ・コンピュータが20%安を記録している。

大和証券のアナリストのジョナサン・キースは、アイガーCEOの需要の鈍化に関するコメントに投資家は「感情的な反応」を見せたが、彼自身は、この決算を「前向きに捉えている」と顧客向けメモに書いている。

今回の下落により、ディズニーの株価は長年の低迷をさらに深めた。7日の終値の85.96ドルは、10年前の2014年8月7日の終値の85.51ドルとほぼ並んでおり、この期間のS&P 500のリターンは170%を超えている(配当を考慮に入れるとディズニーのリターンは11%で、S&P 500のリターンは230%)。

ディズニーの株価は、2022年11月にアイガーがCEOに復帰して以降に5%下落したが、同期間にS&P 500は36%上昇した。ディズニーの株価の低迷は、伝統的なメディア企業の広範な苦境と一致しており、フォックスの過去10年間の株価リターンはわずか14%で、NBCユニバーサルの親会社のコムキャストが同期間に83%、CBSの親会社のパラマウントが同期間にマイナス78%と、いずれも市場全体を大幅に下回っている。一方、ネットフリックスの株価は過去10年間で800%以上上昇したが、直近の株価は2021年のピークから約10%下がっている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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