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2024.08.11 09:45

鳥型雑草抑制ロボ「雷鳥1号」、島根でも威力を発揮

プレスリリースより

プレスリリースより

ロボット技術でほとんど人手を使わず水田を管理し、米を収穫するプロジェクトが進められている。ロボット開発企業テムザックの「WORKROID農業」だ。ロボットを活用した省力化で、農業経験のない人でも米作りを可能にし、収穫した米を加工して販売するまでを一貫して行う農業の6次産業化を目指している。

テムザックは、2023年から宮崎県延岡市と提携して一連の農業ロボット「雷鳥シリーズ」を活用した米作りの実験を繰り返してきたが、今年はホームグラウンドから離れた島根県吉賀町でも実証実験が行われ、上々の成果をあげた。

6月に実施された実験では、田植え後の田んぼにて自律型雑草抑制ロボット「雷鳥1号」の効果を確かめた。雷鳥1号は複数台が群れで水面を移動しながらパドルで泥を巻き上げ、水中植物の光合成を阻害して繁殖を防ぐというもの。実験に協力した農家の話では、雑草育成阻害には一定の効果があったということだ。

田んぼの水深は10センチメートルほど。代掻き後のやわらかい土が残る状態に雷鳥1号を3台投入した。攪拌は問題なく行われ、浮草は残ったが、水底から生える雑草は部分的に見られる程度となった。ロボットの外輪や胸部による稲へのダメージが心配されたが、2週間経過後も問題がない。押し倒された稲は、やがて起き上がった。ただし、水位にムラがある場所では攪拌が均一に行われないという課題も明らかになった。

「WORKROID農業」では、田植え前の田んぼの整地(耕起)、稲の種まき(直播)、雑草抑制、害獣対策、収穫を複数のロボットで行い、水の管理はセンサーのデータをもとに遠隔で行う。2023年は24アールの田んぼで800キログラムの米を収穫し、米粉「雷粉」に加工して販売するまでに至った。耕起から収穫までにかかった人の作業時間は、通常の稲作のわずか6パーセントだった。

2025年には雷鳥シリーズのラインアップを完成させるとのこと。条件不利地の有効活用や耕作放棄地拡大の歯止めになることを目指している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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