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ライフスタイル

2024.08.11 15:00

有働由美子さんと過ごした時間を思い出す

番組卒業時にいただいたオリジナルフィギュア

贈り、贈られたモノや体験は、人生を変えるほどの力を持つことがある。企業のトップ、リーダーたちが経験した、モノや体験に介在する特別な思い入れを紹介する。自身の生き方、サクセスストーリーにも影響を及ぼしたであろう「GIFT」の逸話には人間味あふれる姿がある。希薄化も言われる現代の人間関係とは異なる、特別な関係だ。


THE GIFT #14

辻 愛沙子

arca 代表取締役社長
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互いの名前が入ったフィギュア

オリジナルフィギュアは、番組スタジオの
背景をつけた箱におさまっていた。
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今年の3月末、約4年半毎週水曜日にコメンテーターを務めていた報道番組「news zero」を卒業した。この番組は、自分のキャリアの半分近くを過ごしたホームのような場所。ここで私にできること、届けられる声とはなんだろうと、日々悩みながら言葉を紡いできた。その間、ずっと隣にいてくださったのが、同番組元メインキャスターの有働由美子さんだ。真面目に考え過ぎ、ともすると硬くなってしまう私を、いつも温かくユーモアをもって包みこんでくださった。その大きな背中があったからこそ、自分なりに精いっぱい時代と社会に向き合い続けることができたのだと思う。
 
そんな有働さんから番組卒業時にいただいたのが、互いの名前が入ったフィギュアだ。zeroでの思い出を、こうして形にして贈ってくださったこと。さらに私の人形が大好きな紫色の服を着ていることも、私のことを見てくださっていたのだなと、過ごした時間の濃さが感じられ、なおのことうれしかった。
 
当たり前だった毎週の時間が終わり寂しさはあるが、有働さんの隣で言葉を紡いだあの時間は、これから先の人生もきっと必ず残っていくかけがえのないものになるだろう。


つじ・あさこ◎1995年生まれ。慶應義塾大学在学中から広告代理店で働き始め、2019年にarcaを設立。クリエイティブディレクターとして広告や商品プロデュースなどその活動は幅広く、女性のエンパワメントやヘルスケアをテーマとした「Ladyknows」プロジェクトも注目を集めた。

文=伊藤美玲 イラスト=東海林巨樹

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年8月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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