CoreWeaveは、グーグル、アマゾン、マイクロソフトのようなクラウドの既存企業に対抗しながら、AI開発者の独自のインフラストラクチャニーズに応えることを目指すクラウド企業グループを牽引している。そして、新たに生まれたAIエコノミーの恩恵を受け、CoreWeaveは今年度のForbes Cloud 100(世界のトッププライベートクラウドコンピューティング企業ランキング)で29位にランクインし、今年、新たに登場した企業の中で最高の順位を獲得した。
Cloud 100で84位にランクインしたLambdaも、動画生成企業のPikaやエンタープライズスタートアップのWriterといったAIスタートアップに、最も必要とされる大量のチップクラスターを提供することで成功を収めている。また、生成AIモデル開発のためのオープンソースインフラストラクチャを構築しているユニコーン企業のTogether AIなど、他の小規模企業もこのトレンドに乗っている。
CoreWeaveと同様、LambdaもAIスタートアップにGPUを提供する目的で始まったわけではない。共同創業者のスティーブンとマイケル・バラバンは、2015年にDreamscopeというアプリを立ち上げた後に、手頃な価格で容易に利用できる「計算資源」の必要性に気づいた(このアプリは、人々が自分の写真をアップロードすると、AIを使って異なる芸術スタイルで再現するというものだった)。アプリは収益を生み出せなかったのに、クラウドプロバイダーのAmazon Web Services(AWS)から4万ドル(約589万円)の請求書が届いたことが、自社のGPUクラスターを構築するきっかけとなった。
2017年までに、同社はその計算資源を販売するようになり、機械学習の研究を行う学者たちという顧客を見つけ出した。この転換により、Lambdaは間近に迫ったゴールドラッシュに備えることができたのだ。2023年の収益は約2億5000万ドル(約370億円)となり、現在同社の評価額は15億ドル(約2200億円)に達した。Lambdaの最高執行責任者(COO)であるミテシュ・アグラワルはフォーブスの取材に対し、「ChatGPTが登場したとき、すべては学習に関するものでした。他のすべての企業も独自のモデルを開発しようと試みていて、研究開発に莫大な費用を費やしていました。私たちは、この動きが大きな転換期となることを確信していました」と語っている。