経営・戦略

2024.08.08 08:00

ピーター・ティール出資の「サイバー戦争」支援企業を競合が買収

「我々は政府に対し、海外で攻撃的なペイロードを展開する能力を提供しています」とバリーはフォーブスに語った(ここで言うペイロードとは、脆弱性を突くソフトウェアやマルウェアなどの総称)。

「米国やその同盟国を攻撃しようとする敵対者のネットワークは、世界中に存在しています。当社は、政府に自国のネットワークを保護するための能力を提供するだけでなく、政府のあらゆる作戦目標を達成するためのペイロードやインプラントを展開する能力を提供します」とバリーは述べている。

ホワイトハッカーを支援

シックスジェンやその顧客についてはあまり知られていないが、同社は、最大の契約の一つとして、国土安全保障省のサイバーセキュリティおよびインフラセキュリティ庁(CISA)に、重要インフラネットワークのセキュリティをテストする「レッドチーム」技術を提供している。シックスジェンのCEOで元国防総省の最高情報セキュリティ責任者、ジャック・ウィルマーは、この取り組みでAIを用いてホワイトハットハッカーを支援し、システム全体で弱点を見つけるのに役立てていると述べている。

ボールドエンドとシックスジェンは、海外の顧客を探すのではなく、米国政府との契約に専念することで、この分野の他の企業が直面する非難を避けている。この2社と類似した監視ツールを提供するイスラエルのNSOグループは、悪名高いハッキングツールのPegasus(ペガサス)を複数の政府に販売してきたが、このツールは、ジャーナリストや政治家、人権活動家を監視し苦しめたと非難され、米国は同社をエンティティ・リスト(禁輸対象者リスト)に追加した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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