経営・戦略

2024.08.08 08:00

ピーター・ティール出資の「サイバー戦争」支援企業を競合が買収

Photo by John Lamparski/Getty Images

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米国政府にサイバーツールを提供するSixgen(シックスジェン)は米国時間8月6日、ピーター・ティールが出資する米軍および情報機関を顧客とするサイバーセキュリティ企業Boldend(ボールドエンド)を買収したと発表した。フォーブスは以前、ボールドエンドを「サイバー戦争を支援する企業」として報じていた。

シックスジェンは、今から約1年前にサイバー産業における大規模なビジネス計画を発表したプライベート・エクイティ会社のワシントンハーバーに買収されていた。ボールドエンドとシックスジェンは、この買収に関する財務情報を開示していない。

ボールドエンドは、さまざまなプラットフォーム向けにセキュリティおよびハッキングツールを生成できる自動化の技術を提供しており、2022年のニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、WhatsAppを悪用するハッキングツールをかつて開発していたという。また、今年初めにTechCrunchが報じた同社のプレゼン資料には、どんなプラットフォームでも簡単に任意のマルウェアを作成できるOrigenと呼ばれるオールインワンの「マルウェアプラットフォーム」を販売していることが記載されており、その中には、人工知能(AI)を用いてSNSでフェイクニュースを作成および拡散するツールが含まれていた。

ボールドエンドは、米政府との契約に加えて、以前は防衛大手のレイセオンとも契約していた。

同社のCEOで元CIAの上級エージェントのマイク・バリーは、現状の同社のビジネスがOrigenのソフトウェアからは離れ、米国の機関に対して外国の敵対者を標的にするための支援を提供することに重点を置いているとフォーブスに語った。同社は「既知の破壊的サイバー作戦」を簡単に開始できるように設計されたWi-FiハッキングツールであるCricketを提供している。

ボールドエンドの主要製品はHedgemazeと呼ばれる安全な通信プラットフォームであり、「インフラがあるかどうかに関わらず、世界中のほぼどこでも機能する」とバリーは述べている。同社はこのツールを「従来の通信方法が利用できない場合に様々な通信インフラと組み合わせることができるオペレーティングシステム」として販売しているというが、バリーはその詳細を説明しなかった。
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編集=上田裕資

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