経済

2024.08.09 16:45

7月の国内景気が4カ月ぶりに好転、金融乱高下も今後は横ばいか

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帝国データバンクが2024年7月の国内景気動向を発表した。それによると、景気動向指数は前月比0.5ポイント増の43.8となり4カ月ぶりに改善。最近、外国為替レートと株価が乱高下しているが、猛暑の効果やインバウンド消費など、それを上回るプラス材料が多かったようで、プラス方向へ転じたとしている。

今後の予測としても、市場金利の上昇、インバウンド消費、生成AIの発展による半導体需要の増加など、プラス材料は多い。ただ、エネルギー価格の高等や物流コストの増加などマイナス材料もあり、回復傾向の見られる企業業績がプラスとなる一方で、不確実要因も多く、横ばいで推移するのではとしている。

業界別の景気動向指数を見てみると、10業種中7業種で改善。2業界で悪化しているものの、サービスは50.0に回復。建設は猛暑によるエアコン特需により2カ月連続で改善し46.9となっている。製造も2カ月連続で改善。自動車関連の復調が押し上げ要因となっているが、金融市場の動向次第で今後どうなるかは注目だ。

企業の規模別に見ても「大企業」「中小企業」「小規模企業」が4カ月ぶりにそろって改善。中小企業は緩やかながら、10業界中8業界が上向きとのことで、ここの景気次第では上向く可能性もある。

地域別では、景気動向指数的には九州がトップだが、前月より0.3ポイント下がって46.2。2位が南関東で46.1、3位が北海道で44.1となっている。県別では沖縄が57.3と軍を抜いてトップ。大分(49.5)、熊本(48.6)と続いている。


インバウンド需要は、これからも期待できそうだが、エアコンをはじめとした猛暑による特需は今後しぼんでいく。堅実に景気を回復させるには、いまマイナスな部分、人材確保や原材料価格への対応など、DXを進めるなどして改善に努めることが重要だ。

出典;帝国データバーク「TDB景気動向調査(全国)― 2024年7月調査 ―」より

文=飯島範久

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