「仰る通り」の意味とは
基本的な意味
「仰る通り」とは、相手の発言に対する同意や賛同を表す敬語表現です。主にビジネスシーンで使われ、目上の人や取引先などの発言に対して「あなたの言う通りです」「その通りです」と肯定する際に用いられます。相手の意見を尊重し、敬意を示す表現として広く使われています。
「仰る」と「おっしゃる」の違い
「仰る」は「言う」の尊敬語であり、「おっしゃる」も同様に尊敬語ですが、ひらがな表記の「おっしゃる」は柔らかい印象を与えるため、ビジネスメールやカジュアルなやり取りではこちらがよく使われます。どちらも正しい表現であり、文脈や相手によって使い分けると良いでしょう。
「仰る通り」のビジネスシーンでの使い方
基本的な使い方
「仰る通りです」は、相手の発言に対して同意を示す際に使われます。多くの場合、「仰る通りです」や「仰る通りでございます」といった形で、語尾に「です」や「ございます」をつけて丁寧に表現します。メールや口頭でのやり取りのどちらでも使用可能です。
例文
例文1: A:「この商品は12月以降に販売が開始される予定でしたね。」 B:「はい、仰る通りです。12月10日の販売開始を予定しております。」
例文2: A:「次回のイベントは集客方法を見直すべきではないですか?」 B:「仰る通りです。今回は目標の集客人数に届かなかったため、まずはその原因を明らかにしたいと思います。」
例文3: A:「その案は基本方針とは少しずれるのではないでしょうか?」 B:「仰る通りです。ただ、顧客目線でのニーズを考えると、このような案も必要だと考えています。」
「仰る通り」を使う時のポイント
二重敬語に注意する
「仰る通り」を使う際には、二重敬語に注意が必要です。「仰る」は尊敬語であり、「仰られる」などと使うと二重敬語になってしまいます。正しくは「仰る通りです」とシンプルに使います。
反論時のクッション言葉として使用
「仰る通りです」は、相手の発言に同意しつつ、自分の意見を述べる際のクッション言葉としても効果的です。まず相手の意見を肯定し、その後に自分の意見を述べることで、反論のトーンを和らげることができます。
例文: A:「このプロモーションでは、当社の顧客層に響かないのではないでしょうか?」 B:「Aさんの仰る通りです。ただ、この新商品では既存顧客だけでなく、新たな顧客層の獲得にも注力すべきだと考えています。」
語尾を省略しない
目上の人に対して「仰る通り」と語尾を省略せずに「仰る通りです」や「仰る通りでございます」と丁寧に表現することが重要です。語尾を省略すると無礼な印象を与えることがあります。
「仰る通り」の言い換え表現
ご認識の通り
「仰る通り」は「ご認識の通り」に言い換えることができます。この表現は、相手の認識が正しいことを確認する際に使われます。
例文: 「ご認識の通り、当社の方針は変わっておりません。」
ご指摘の通り
「仰る通り」は「ご指摘の通り」にも言い換えられます。相手の指摘に対して同意し、受け入れる際に使われます。
例文: 「ご指摘の通り、今後は注意して対応いたします。」
左様でございます
「仰る通り」は「左様でございます」にも言い換えることができます。こちらも相手の発言に同意する丁寧な表現です。
例文: 「左様でございます。ご指摘の点については改善を図ります。」
ごもっともです
「仰る通り」は「ごもっともです」にも言い換えられます。相手の意見に完全に賛同する場合に使います。
例文: 「ごもっともです。仰る通り、早急に対応いたします。」
まとめ
「仰る通り」は、相手の発言に対する同意や賛同を示す敬語表現であり、ビジネスシーンで広く使われます。使用時には二重敬語に注意し、語尾を省略しないことが重要です。また、反論する際のクッション言葉としても有効です。言い換え表現として「ご認識の通り」「ご指摘の通り」「左様でございます」「ごもっともです」なども覚えておくと、状況に応じて適切に使い分けることができます。正しく使いこなすことで、ビジネスコミュニケーションを円滑に進めましょう。