ここでは最近大きなマイルストーンに到達した30 Under 30 Asiaの受賞者を4人を紹介する。
ギブラン・フザイファ(eFishery/2017年度)
2017年の30 Under 30に選出されたギブラン・フザイファが設立した、スマート養殖企業eFishery(eフィッシャリー)は昨年7月のシリーズDで2億ドル(約320億円)を調達し、東南アジア初のアグリテック(農薬テクノロジー)のユニコーンとなった。フザイファは、バンドン工科大学の学費を払うために生け簀を借りてナマズを繁殖し、養殖業について学んだ。彼は、2014年に養殖魚の餌付けを最適化するIoTシステムを開発した。eフィッシャリーは現在、7万の養殖業者向けに30万の養殖池を管理しているが、フザイファはこの数字を2025年までに3倍に増やす計画だ。同社は融資と魚の販売も手がけ、バングラデシュ、タイ、ベトナムでパイロットプロジェクトを展開している。3月に、同社は製品開発を加速させるために、インドネシアのIoTスタートアップ「DycodeX」を買収した。
エリック・グノック・ファ(Klook/2017年度)
香港のオンライン旅行会社「Klook」は昨年12月、2億1000万ドルを調達し、累計調達額は9億ドルを超えた。交通機関やホテル、ツアー、アトラクションの予約サービスを提供する同社は、コロナ禍で国内観光に焦点を絞ることを余儀なくされたが、現在では旅行好きの中間層が急増している東南アジアをターゲットに事業拡大を目指している。2017年の30 Under 30に選出されたエリック・グノック・ファ(最高執行責任者)、イーサン・リン(最高経営責任者)、バーニー・シャオカン・シオン(最高技術責任者)が2014年に設立したKlookは、昨年初めて黒字化を達成した。直近の資金調達ラウンドは、米国のベンチャーキャピタルであるベッセマー・ベンチャーパートナーズが主導し、アジアからは香港のビリオネアであるジャン・サラタのEQT Private Capital Asiaとバンコクを拠点とするクルンスリ・フィノベートが参加した。