キム・ビョンフン(APR/2017年度)
今年2月、キム・ビョンフンは自身の美容機器メーカー「APR」を韓国証券取引所に上場させ、950億ウォン(約110億円)を調達した。その後、同社の株価は急騰し、時価総額は約2兆5000億ウォン(約2914億円)まで拡大した。これは、2023年6月に韓国のビリオネアであるイ・ジェヒョン率いるCJグループ傘下のCJ OnStyleから資金調達をしたラウンド(調達額は非公開)における評価額の2倍以上だ。APRは、キムとイ・ジュグァンによって2014年に設立され、当初の社名は「AprilSkin」だった。同社は、「マジックストーン」という名称の美容石鹸で成功を収めた。2019年にイが同社を去ると、キムは社名をAPR(Advance People's Real Lifeの略)に変え、美容機器の開発に事業を拡大した。微弱電流を使った美顔器「Medicube Age-R」ラインは、ジャスティン・ビーバーの妻であるヘイリー・ビーバーが昨年TikTokで賞賛したことで大ヒットした。
ヤン・ジーリン(Moonshot AI/2021年度)
中国のAIスタートアップ「Moonshot AI(月之暗面)」の評価額は、わずか1年余りで約8倍の25億ドルに急拡大した。同社のCEOのヤン・ジーリン(楊植麟)は、OpenAIの「ChatGPT」のライバルになり得るチャットボットを発表した。同社は、2月に中国のアリババが主導したラウンドで、中国の生成AIスタートアップとしては史上最大規模となる10億ドル以上を調達した。ジーリンは2021年にRecurrent AIというスタートアップの共同創業者として30 Under 30に選出されている。
Moonshot AIは2023年に設立され、10月に独自の大規模言語モデル(LLM)を搭載した画期的なチャットボット「Kimi」をリリースした。3月には、1回のプロンプトで最大200万字の中国語の長文を要約できる新機能のベータ版を発表した。チャットボットは無料だが、ユーザーは料金を支払って同社のLLMをベースに独自製品を構築することができる。米調査会社Similarwebによると、3月にMoonshot AIのウェブサイトを訪問したユーザー数は、前月の4倍以上となる1240万人に達したという。これに対し、OpenAIのウェブサイトへの訪問者数は8%増の18億人だった。
(forbes.com 原文)