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2024.08.05 18:00

仕事の「リセットボタン」を押すべきタイミングは今

Getty Images

仕事の場で重大かつ持続的な変化に直面したら、それは迷わず「リセットボタン」を押すべきタイミングだ。

物事は変化する。周囲で起きる変化については、できるだけ意識していることが望ましい。だが、変化を「認識する」ことと、それに「反応する」ことは別物だ。起きている変化がどれだけ重大なものか、また、長続きするものかによってとるべき反応も変わってくる。

・軽微で一時的な変化なら、特に反応しなくていい。これまで自分がやってきたことを粛々と続けよう
・軽微だが持続的な変化の場合は、時間の経過につれて、適切なかたちで自分を進化させていこう
・重大だが一時的な変化が起きているなら、その変化が生み出すものによって、対応が違ってくる。チャンスであれば生かし、危機であれば対応策を発動させることが必要かもしれない
・そして、重大かつ持続的な変化の場合は、リセットボタンを押し、すべてを一から見直すべきタイミングだ

では、最後の「重大かつ持続的な変化」の場合について、具体例を挙げて説明しよう。

営業マンのリチャードを襲った「シャンパン事件」

エレベーターの扉が開く直前、背後から投げられたシャンパンのボトルがリチャードの左耳をかすめ、壁に叩きつけられて粉々に砕け散った。それでも、彼は振り向くことさえしなかった。

彼はそのままエレベーターに乗り込み、家に帰った。そして、この件について一晩考えたあと、翌朝オフィスに行って辞表を出した。新しい道に進むべき時が来ていたのだ。

リチャードは、広告業界で25年間にわたって働いてきたベテランだった。勤務先の広告代理店では、最大クラスの得意先を担当していた。シャンパンを投げつけられた日には、自らが担当するクライアントに向けて、広告に関するアイデアのプレゼンテーションをしていた。クライアントは、彼が提案したアイデアを気に入ったものの、さらに追加でアイデアを出すよう求めた──それも、次の日に。

クリエイティブチームの失望ぶりは、「落胆」という言葉ではとても言い表せないほどだった。リチャードをはじめとする営業チームの務めは、最初に提案したアイデアをクライアントに受け入れさせることだというのが、クリエイティブ側の考えだった。こうして起きたのが、上記の「シャンパン事件」だ。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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