Future Projects|未来の企画たち
Frobes JAPANでは、これからも新しい概念をつくりだし、経済・社会に新しい価値を提供する「未来のリスト」をつくり続けたいと考えている。その背景には、『Forbes JAPAN』がこれまで取り上げてきたふたつのテーマがあるからだ。ひとつは、米『Forbes』がコロナ禍以降、提唱してきた「インクルーシブ・キャピタリズム(包摂的な資本主義)」という概念だ。すべての人を包摂しながら発展する資本主義のあり方を意味する言葉である。それは、変化する経済・社会のあり方への言及であり、その方向性に対する提案でもある。社会、経済が「新しいスタンダード」への移行期にあることを意味している。
もうひとつが『Forbes JAPAN』2023年6月号「NEXT100」特集で取り上げた「グッド・アンセスター(よき祖先)」という概念だ。23年1月の世界経済フォーラム年次総会2023(通称「ダボス会議」)のメインテーマであった「分断された世界における協力の姿」に影響を受けて提案したキーワードである。英文化思想家、ローマン・クルツナリックが提唱し、日本の僧侶である松本紹圭が紹介している「グッド・アンセスター」は、こう問いを投げかけている。「どうしたら、私たちは未来世代の『よき祖先』になれるのか」。言い換えれば、次のような問いとも言えるだろう。「わたしたちは、どのような経済社会をつくっていくのか。そして、未来を生きる人たちに、どのような世界を渡すことができるのか」である。
「Women In Tech」「50 OVER 50」など
気候変動危機や生物多様性の危機、新テクノロジーによる脅威、次のパンデミック、富の格差、分断化された世界など、さまざまな地球規模の課題が顕在化している。だからこそ、これからも「未来世代にとって、よい経済社会をつくる」ことをビジョンにした企画を進めたいと考えている。「カルチャープレナー」や「NEXT 100」はその象徴的な特集企画だ。それ以外にも、テクノロジー領域における女性活躍を推進する「Women In Tech」日本版の立ち上げ、50歳以上の女性にフォーカスした「50 OVER 50」日本版の立ち上げなどを進めている。そのほかにも、中堅企業や非営利セクター、インパクトなどの企画も考えている。また、「10 GameChangers 10 Experiments」と称したプロジェクトも計画中だ。これまでのアワード受賞者、取材対象者のなかから選定した10人が1チームとして国内外の特別な場所を訪れ、特別な体験でのインスピレーションやこれからの10年について対話をするイベントだ。『Forbes JAPAN』創刊号では、「エスタブリッシュ」(大企業)と「ライジングスター」(スタートアップ・起業家)の新旧融合が日本経済を前進させるというメッセージを投げかけた。次の10年は、「エスタブリッシュ」(大企業)と「ライジングスター」(起業家精神を持ったあらゆるリーダー)の多彩な融合こそが重要になるだろう。
であるからこそ、Forbes JAPANでは、読者も含めたさまざまなライジングスターとともに、「未来世代を見据えて、未来を共に考える」ことを続けていければと思っている。