海外

2024.08.14 08:00

「自動運転車向けレーダー」の韓国企業、BitsensingがIoT分野に進出へ

アジア最大のスタートアップフェアであるNextRise2024 に出展した際の様子(C)Linkedin bitsensing Inc.

アジア最大のスタートアップフェアであるNextRise2024 に出展した際の様子(C)Linkedin bitsensing Inc.

自動運転車向けの4Dイメージングレーダーを開発する韓国のスタートアップ、Bitsensing(ビットセンシング)は、6月に発表したシリーズBラウンドで、自動車部品大手のHL Mando(HLマンド)を含む投資家から2500万ドル(約40億円)を調達した。同社は、HLマンドとその関連会社を通じて自動運転以外の分野に事業を拡大しようとしている。
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今回のラウンドには、ライフアセット・マネジメントや韓国の都市ガス会社サムチューリ傘下のSCLインベストメント、ウリ・フィナンシャル・グループも参加した。

この調達でビットセンシングの累計調達額は4600万ドル(約74億円)に達した。同社の創業者でCEOのジェウン・リーは、フォーブスに対し、「世界的な半導体企業と延長ラウンドの交渉を行っている最中だ」と述べている。

以前は自動車部品サプライヤーの上級エンジニアだったリーによると、HLマンドがビットセンシングに出資するのは今回で4回目という。HLマンドは、韓国のコングロマリットであるHLグループ(旧Hallaグループ)の中核企業だ。同グループの鄭夢元(チョン・モンウォン)会長は、現代自動車の会長の鄭義宣(チョン・ウィソン)の叔父にあたる。
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2018年に設立されたビットセンシングは、自動運転車やスマートシティ向けの高解像度レーダーを開発している。リーによると、同社は来年黒字化を果たす見込みで、2026年にはIPOを計画しているという。

ソウルの南に位置する城南(ソンナム)に本拠を置くビットセンシングは、HLグループの自動運転部門であるHL Klemove(HLクレムーブ)にレーダー技術を提供している。

リーによると、ビットセンシングのイメージング・レーダー技術は、自動車向け以外にもスマートホームに応用できるという。同社は、HLグループの建設部門やスマートホーム部門向けの製品開発にも取り組んでいる。

IoT分野に進出

「現在のスマートホーム技術は赤外線センサを使用している。これは非常にシンプルで安価だが、それほど正確ではない。しかし、我々のレーダー・センサーはより正確で、照明や電子機器を制御するIoTツールにも応用可能だ」と、ソウル大学でコンピューター工学の博士号を取得したリーは話す。ビットセンシングのレーダーは、テレビを見ている人の呼吸や胸の動きから、その人が眠ったことを検知し、テレビを消すことができるという。

また、睡眠をモニタリングする機能は、病院や高齢者の介護センターなどで活用できるとリーは考えている。

ビットセンシングにとって、もうひとつの成長分野はロボット工学だ。「HLグループは、配送ロボットやパトロールロボットなど、さまざまな用途のロボットを開発しており、多くのセンサを必要としている」とリーは述べている。

「HLグループの傘下には、モビリティや建設以外にも、ロジスティクス事業やゴルフリゾート、アイスホッケーチーム、大学などがある。我々の使命は、あらゆる場所にレーダーを導入することだ」とリーは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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