北米

2024.08.05 11:00

ビットコインで「米国の5100兆円の債務」を解消、トランプが提案

Photo by Joe Raedle/Getty Images

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ジャネット・イエレン米財務長官は最近、米国の一部の国に対する制裁がドル離れにつながっているとの懸念を表明したが、トランプ前大統領は、8月2日のインタビューで、ビットコインを活用することで35兆ドル(約5130兆円)におよぶ米国の国家債務を解消するというアイデアを語った。
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「クリプト(暗号資産)は非常に興味深い」とトランプはFOXビジネスのインタビューで述べた。「ビットコインで35兆ドルを支払って、債務を一掃できるかもしれない。ビットコインの小切手を少し渡して、35兆ドルを帳消しにするんだ」と彼は語った。

トランプは先月27日に行われたビットコイン2024カンファレンスで、自身が大統領に返り咲いた場合、「戦略的な国家ビットコイン備蓄」を立ち上げると約束し、ビットコインの時価総額が将来的に金の時価総額を上回る可能性があると予測した。

トランプの暗号資産に歩み寄る姿勢は、バイデン政権やカマラ・ハリス副大統領による反暗号資産のスタンスと対立したものだ。トランプは5月末に暗号資産への支持を表明し、ビットコインを含む複数の暗号資産による政治献金の受け入れを開始した。
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2日のFOXビジネスのインタビューで、トランプは「もし私たちがやらないなら、中国がやるだろう」と語った。「中国はいずれにしろやるだろう。私たちがやらなければ、中国がやる。中国はすでにやっているし、もし私たちがやらなければ、他の国がやるだろう。だから私たちが先頭に立つべきだ」

中国は近年、ビットコインや暗号資産の取り締まりを強化し、トレードとマイニング(採掘)を禁止した。しかし、中国は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれる暗号資産にインスパイアされたデジタル通貨の開発で先行している。

暗号資産分野の中国人起業家で、ブロックチェーンのトロンを創設したジャスティン・サンは先月、中国がビットコインや暗号資産に対して立場を逆転することを予測した。暗号資産分野の著名投資家であるブロック・ピアースも、中国が暗号資産に再びドアを開くのは時間の問題であり、「避けられないことだ」と語っていた。

トランプは、2日のインタビューで、「バイデンはそれを抑えようとしているが、もし私たちがそれを受け入れなければ、他の人々がそれを受け入れるだろう」と語った。「すでに大規模なものになっているし、私たちが受け入れなければ、他の国が受け入れるだろう。他の国々もいずれは受け入れるだろうが、私たちはリーダーになることができる。私たちがリーダーになるべきなんだ」と彼は続けた。

100日ごとに1兆ドル増える債務

トランプの過激なビットコイン計画は、テスラのイーロン・マスクが米ドルの「崩壊」を警告し、35兆ドルの債務が米国を「破産」させる可能性があると指摘したのを受けてのものだ。

議会予算局の最新の分析によると、米国の債務利払いは今年8700億ドルに達すると予測されている。これは、コロナ禍における巨額の支出とマネーサプライの拡大によって引き起こされた制御不能なインフレが、連邦準備制度理事会(FRB)に前例のない速度で金利を引き上げさせた結果だ。

バンク・オブ・アメリカのアナリストは今年初め、米国の債務負担が100日ごとに1兆ドル増加していると警告した。

「米国の国家債務は100日ごとに1兆ドル増加している」とバンク・オブ・アメリカのマイケル・ハートネットは顧客向けのメモで書き、「金やビットコインなどのドルの価値減少に対するヘッジとなる資産の取引高が史上最高に近づいているのも不思議ではない」と述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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