「僭越ではございますが」の意味と使い方
「僭越ではございますが」の意味とは？
「僭越ではございますが」は「せんえつではございますが」と読み、意味は「出過ぎたことですが」「身の程知らずですが」です。「僭越」とは、自分の身分や立場を超えて出過ぎたことをすることを指し、この表現は自分をへりくだって伝える際に使われます。
「僭越ではございますが」の使い方
「僭越ではございますが」は、以下のようなシーンで使われることが多いです：
- 目上の人に対して何かをしたり言ったりする場合
- 自分から進んで何かをしたり言ったりする場合
それぞれの場面について詳しく解説します。
目上の人に対して何かをしたり言ったりする場合
「僭越ではございますが」は謙譲語であり、目上の人に対して使う言葉です。目上の人がいる場や、自分が来賓として最初に話す場面などで使用するのが適しています。この表現を使うことで、「自分よりも相応しい人がいますが」「立場上相応しくないかもしれませんが」という謙遜の気持ちを伝えられます。
自分から進んで何かをしたり言ったりする場合
相手が目上の人であることと共に、自分が何かをする際に使う言葉でもあります。「僭越ではございますが」の後には、「○○したく存じます」「させていただきます」と続けるのが一般的です。使う相手や使う場面を正しく理解しておきましょう。
「僭越ではございますが」の具体的な使用例
結婚式でスピーチをする場合
「僭越ではございますが、友人代表としてスピーチをさせていただきます。」
結婚式のスピーチでは、スピーチの前に挨拶をすることに対して使用するのが基本です。この表現を使うことで、「私のような者がスピーチをするのは相応しくないと思いますが……」といった謙遜の気持ちを表現できます。
ビジネスメールで相手に意見・感想を伝える場合
「僭越ではございますが、私の率直な感想を申し上げます。」
ビジネスシーンで、メールで目上の人や取引先相手に意見や感想を伝える場合の例文です。目上の人に意見や感想を述べる際は、「僭越ではございますが」と付け加えて謙譲の姿勢を示しましょう。
自分が大役に就いた場合
「僭越ではございますが、本日議長を務める〇〇と申します。」
自分が大役に就いた場合の例文です。自分がその場の議長やまとめ役などを引き受けた状況で、謙遜の気持ちを表したいときに「僭越ではございますが」を使用します。
「僭越ではございますが」を使う際の注意点
社外の人には使わない
「僭越ではございますが」は、社内の目上の人に対して使う表現です。取引先や社外の人には、「お世話になっております」や「ありがとうございます」などの表現が適切です。
同僚や後輩には使わない
「僭越ではございますが」は、同僚や後輩など近しい間柄の相手に対して使うと、過剰に丁寧すぎる印象を与えてしまう可能性があります。こういった相手には「お疲れ様です」を使うのが自然です。
「僭越ではございますが」の言い換え表現
「恐縮ではございますが」
「僭越ではございますが」の言い換え表現として、「恐縮ではございますが」という言葉があります。これは、相手に迷惑をかける（かけた）場合や、何かしてもらった場合に「申し訳ない」という思いを伝える言葉です。
「微力ながら」
「微力ながら」と言い換えることもできます。「微力ながら」は、相手へ手助けをする際にへりくだって伝える言葉です。この表現には、「自分の力では助けにもならないかもしれませんが」という意味があります。
「僭越ではございますが」の英語表現
「With all due respect, ～」
「僭越ではございますが」を英語で伝えたい場合、最も近い表現は「With all due respect, ～」です。これは「恐縮ながら」と同じ意味です。
「Please allow me to ～」
もう一つの表現は「Please allow me to ～」で、これは「無礼を承知で申し上げますが」という意味です。例えば、「Please allow me to give my opinions.（僭越ではございますが、意見を申し上げます）」という使い方ができます。
まとめ
「僭越ではございますが」は、自分をへりくだって伝える際に使われる表現であり、目上の人に対して何かをする際や言う際に使用されます。この表現を正しく理解し、適切な相手と場面で使うことが重要です。また、同様の意味を持つ他の表現と使い分けることで、より円滑なコミュニケーションが図れます。ビジネスシーンでの使用例を参考にして、「僭越ではございますが」を適切に活用しましょう。
