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2024.08.05 00:00

「一任する」の意味と言い換え表現、ビジネスシーンでの使い方を解説

「一任する」とは?基本的な意味と背景

「一任する」とは、物事の決定や手続きをすべて任せることを意味します。この言葉は、上司が部下に全責任を委ねる場面でよく使われます。「一任」は「ひとまとまり」を意味する「一」と「任せる」を意味する「任」が組み合わさっており、部分的ではなく全体を任せることを表します。

「一任」と「委任」の違い

「一任」と似た言葉に「委任」がありますが、意味が異なります。「一任」は物事の全体を任せるのに対し、「委任」は一部を任せることを意味します。また、「一任」には決定権も含まれますが、「委任」には決定権は含まれません。

例:

「プロジェクト全体の進行を彼に一任した。」

「一部の作業を彼に委任した。」

ビジネスシーンにおける「一任」の使い方と例文

「一任」という表現はビジネスシーンで頻繁に使われます。以下では、丁寧語、謙譲語、尊敬語の3つの表現を紹介します。

丁寧語の「一任」

丁寧に表現する際には「一任します」と言います。これは上司が部下に対して使うのが一般的です。

例:

「このプロジェクトは君に一任します。」

「会議の進行については、彼に一任しました。」

謙譲語の「一任」

自分が一任する場合や、自分が一任された場合には、謙譲語を使用します。

例:

「新商品の開発は、彼に一任していただきました。」

「営業戦略の策定は、私が一任いたします。」

尊敬語の「一任」

上司や目上の人が仕事を一任する際には、「一任なさる」や「一任くださいました」という表現を使います。

例:

「部長はこの案件を彼に一任なさっています。」

「社長は今期の予算編成を私に一任してくださいました。」

「一任」を使う際の注意点

目上の人に対して使用しない

「一任」は上司が部下に対して使うのが一般的で、逆に部下が上司に対して使うと失礼になる可能性があります。上司に何かを任せる際には「お任せしてもよろしいでしょうか」などの表現を使いましょう。

二重表現に注意

「一任」は「すべてを任せる」という意味を含むため、「すべて一任する」という表現は二重表現になります。正確な日本語を使用するためには、「一任する」だけで十分です。

一部だけを任せる際には使わない

「一任」は物事の全体を任せる際に使う表現です。物事の一部を任せる場合には「委ねる」や「任せる」などの別の表現を使いましょう。

「一任」の類語・言い換え表現

「一任」の言い換え表現として、以下の4つを紹介します。

「委ねる」

「委ねる」は「処置などを人に任せる」という意味を持ち、権限を譲るニュアンスがあります。

例:

「プロジェクトの進行は、彼に委ねました。」

「託する」

「託する」は「自分のすべきことを他の人に任せる」という意味です。

例:

「新規事業の立ち上げは、彼に託しました。」

「任せる」

「任せる」は「自分のすべきことを他の人に頼む」という意味です。日常的なビジネスシーンではこちらの方が使いやすいでしょう。

例:

「来週の会議の準備は、君に任せます。」

「丸投げ」

「丸投げ」は「本来やるべきことを他の人に任せる」という意味です。ビジネスシーンではネガティブなニュアンスがあるため、使用は避けるべきです。

例:

「プロジェクトを丸投げするのは避けましょう。」

まとめ

「一任する」は、物事の全体を任せる際に使われる表現です。ビジネスシーンでは、上司が部下に対して決定権を委ねる場合によく使われます。状況や相手に応じて、「委ねる」「託する」「任せる」などの適切な言い換え表現を使うことで、より効果的なコミュニケーションが可能です。言葉の使い方を正しく理解し、円滑なビジネスコミュニケーションを実現しましょう。

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