フィリピンで最も人気のある電子決済サービスのGCash(Gキャッシュ)を手掛けるミントの評価額は、新たな資本注入により50億ドル(約7470億円)となり、2001年末に行った資金調達時につけられた評価額の2倍以上となったと、グローブ・テレコムは声明で述べた。Gキャッシュのアクティブユーザーは9000万人近くに達している。
アヤラ・コーポレーションは、ミント株の8%を229億フィリピンペソ(約586億円)で取得し、同社の持ち分を13%に引き上げると発表した。三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ銀行も、同額でミントの8%を取得するために別の拘束力のある契約を結んだと、グローブ・テレコムは述べた。
「私たちはミントの長期的な成長見通しに期待している」とアヤラ・コーポレーションCEOのセザール・コンシングは声明で述べ、「彼らは急成長している分野における明確なリーダーであり、フィリピンの経済成長の重要な貢献者だ」と付け加えた。
アリババ傘下アントフィナンシャルの支援を受けるミントが発表した2023年の純利益は、Gキャッシュのモバイル決済の伸びにより、前年比3倍の67億フィリピンペソ(約171億円)に達していた。
ミントは、マイクロローンや事業向けローンを提供するFuse Lendingと呼ばれる事業も運営している。グローブ・テレコムは、東南アジア最大の通信会社であるシンガポールテレコムとアヤラ・コーポレーションが共同で所有している。
1834年にマニラで蒸留所として始まったアヤラ・コーポレーションは、複合企業としてさまざまな事業を展開している。フォーブスは、2016年から同社の会長を務めているハイメ・ゾベル・デ・アヤラとその家族の保有資産を26億ドル(約3881億円)と試算している。
(forbes.com 原文)