スポーツドリンクには、水には含まれていないものが加えられている。その追加された成分が「身体活動のパフォーマンスを向上させる」というが、水より値段が高くなる原因と考えられるそれらは、追加のコストに見合うだけのものだろうか?
「砂糖」を多く含んでいる
水が大半を占めるスポーツドリンクの多くには、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合したショ糖(スクロース)が主成分の砂糖が、6~8%程度、含まれている。スポーツドリンクに砂糖(炭水化物)を入れるのは、私たちの体は運動中、燃料として砂糖を使うからだ。例えばドーナツのようなものを食べながらランニングをしているのでもない限り、体は筋肉と肝臓にグリコーゲンとして貯蔵していた糖分を頼って運動をする。
激しい運動をすれば、この貯蔵されていたグリコーゲンは枯渇する可能性があり、そうなれば体はより良い「パフォーマンス」のために、より多くの燃料を欲する。そして、その燃料は(水に溶かした)砂糖をとることによって、補給することができる。
ただ、当然ながら砂糖をとることは、カロリーを摂取することだ。運動することでカロリーを燃焼させ、体重を減らしたい、または維持したいという人にとって、「非常に魅力的なことではない」と考えられる。そのためスポーツドリンクには、低カロリー、またはゼロカロリーのものが増えている。
「電解質」も含んでいる
そのほかスポーツドリンクの多くに含まれているのが、発汗によって失われるナトリウム、カリウムといった電解質だ。体内におけるこれらの量を適正に保つことは、重要なことだ。血中のナトリウム濃度が大幅に低下する低ナトリウム血症になると、吐き気、嘔吐、頭痛、筋力の低下や筋肉のひきつり、けいれん発作などが起こり、錯乱したり、昏睡に陥ることもある。
また、低カリウム血症になれば、筋肉のひきつり、けいれんが起き、筋力が低下したり、不整脈が起きる場合もある。