もうひとつ、見逃せないのが女性起業家の台頭だ。今年のイベントでは、初の試みとしてスタートアップ企業による出展ブースを設けたが、出展した31社のうち3分の1は女性が代表を務める企業だった。全体として男性起業家が多いスタートアップ産業のなかで、シード期の女性起業家の層が厚くなっていることは、ジェンダーギャップの解消につながる可能性があり、ポジティブな動きといえよう。
今年で6度目を迎えたRISING STARイベント。会場の恵比寿ガーデンプレイス ザ・ガーデンホールには、400人近くのスタートアップ関係者が集まり、ピッチを観覧したりブースで交流を行ったりと、これまでにないほどの熱気を帯びた。多様な属性や領域で存在感を示す「希望の星」たちが増えていることは、この先の「明るい日本」の到来を予感させてくれる。
審査員
堤 達生◎STRIVE代表パートナー。三和総合研究所、グローバル・ブレインを経て、グリーなどで新規事業開発やCVCの設立・運用に従事。2014年にベンチャーキャピタルファンド(現STRIVE)を設立。山中 卓◎i-nest capital代表パートナー。日本興業銀行(現 みずほ銀行)を経て2003年モバイル・インターネットキャピタルに入社し、15年同社社長就任を経て独立。19年i-nestcapitalを設立。
新見祐加◎DCIパートナーズアソシエイトディレクター。投資銀行にてPEおよびディストレスト投資業務に従事した後、DCIパートナーズに参画。日本および台湾の製薬・バイオ関連業界へ6年超の投資経験を有する。
宇佐美 篤◎東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)取締役パートナー。創業前後のスタートアップに投資。オリシロジェノミクス(Moderna, Inc.によるM&A)等支援。東京大学博士(薬学)。
村田祐介◎インキュベイトファンド代表パートナー。エヌ・アイ・エフベンチャーズ(現大和企業投資)で投資業務およびファンド組成管理業務に従事。2010年にインキュベイトファンドを共同創業。